昨年の皇后杯で4年ぶりとなるタイトルを獲得すると、その成長をつなげ、今期のなでしこリーグでもリーグ最多得点、最少失点という完璧な形でチャンピオンに輝いた。近年はINAC神戸の後塵を拝するシーズンが続いていたが、昨年末からのこの流れは日本女子サッカー界を牽引してきたという矜持をピッチ上で表現できるようになったことが、導いた結果と言える。ベレーザはこれまでリーグ優勝13度、今大会も11度優勝と比類無きタイトルを積み重ね、数多の代表選手を輩出している。
そして今年のチームも国際経験豊富な選手たちが各々の個性を存分に発揮し、高いレベルでそれが融合されている。チームの核となるのは有吉佐織選手、阪口夢穂選手、岩清水梓選手のなでしこトリオ。FIFAワールドカップカナダ2015の準優勝メンバーである彼女たちの経験がチームに安定をもたらしている。中でも今シーズン、リーグMVPに選出された阪口選手は攻守にわたって勝利に大きく貢献した。中盤でゲームを作るのみならず、得点機会があれば、確実にネットを揺らし、重ねたゴールは9ゴールに及ぶ。加えてリーグ得点王に輝いた田中美南選手も貪欲にゴールを奪い、12ゴール、エースストライカーとしての自覚が大きな成果をもたらした。昨年の決勝戦でも決勝ゴールを奪った田中選手は、今大会も大爆発。2回戦、3回戦ですでに6ゴールを挙げ、チームに勢いをもたらしている。
育成組織のメニーナから昇格した選手がチームの大半を占めるだけにコンビネーション、チーム戦術を各選手が共有できていることも安定したパフォーマンスを出している要因といえる。
今大会連覇を達成したとき、再び日本女子サッカー界の盟主として君臨することになる。
JFA-TV
第37回皇后杯全日本女子サッカー選手権大会
決勝 12月27日(日) 神奈川/等々力競技場
準決勝 12月23日(水・祝) 神奈川/等々力競技場
準々決勝 12月19日(土) 宮城/ユアテックスタジアム仙台、東京/味の素フィールド西が丘