JFA 第26回全日本U-15女子サッカー選手権大会が12月11日(土)から27日(月)にかけて開催されます。
大会には9地域から選出された32チームが出場し、27日(月)に味の素フィールド西が丘で行われる決勝戦を目指して熱い戦いを繰り広げます。
前回大会はJFAアカデミー福島(東海3/静岡)が2大会ぶり3度目の優勝。最多優勝を誇る三菱重工浦和レッズレディースジュニアユース(関東3/埼玉)や関東予選を1位で突破した日テレ・東京ヴェルディメニーナ(関東1/東京)など最多9チームが出場する関東勢も日本一の座を狙います。さらには常葉大学附属橘中学校女子サッカー部(東海2/静岡)や高知学園高知中学(四国2/高知)といった中体連のチームも含め、U-15年代の真の日本一を懸けた戦いは白熱必至です。
インタビュー
ここではJFAアカデミー福島の一員として第18回、第20回大会で準優勝を果たした遠藤純選手(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)にご登場いただき、大会の思い出や中学時代について語ってもらいました。
○オンライン取材日:2021年12月2日
――大会で記憶に残っていることは。
遠藤 少しは覚えています(笑)。正直、中学1年のときはほとんど覚えていないですね……。アカデミー福島に加入した当初はオスグッド病でプレーできていない時期があったので、試合に出場していたことすら曖昧です。
――中学1年時の第18回大会、中学3年時の第20回大会ともに準優勝しています。中学3年時はどのような意気込みで大会に臨んだのでしょうか。
遠藤 中学3年生の大会は覚えています。キャプテンをしていて、最高学年としてチームを引っ張っていこうと思っていました。決勝で敗れてしまって悔しい結果ではありますが、それでもその年の中学1年生から3年生までみんなが仲良かったので、その結束力で決勝までは大差を付けて勝てていたのかなと思います。
――中体連のチームなど普段対戦しない相手との試合もありました。
遠藤 大会を通していろいろなチームと対戦したり、試合を見ることができました。アカデミー福島が所属している東海地域もすごく強かったですが、全国大会はレベルが高いと感じました。でも、特に中学3年のときは自分たちのサッカーに自信を持っていましたし、思い切ってプレーできていたと思います。
――決勝はセレッソ大阪堺ガールズとの対戦でした。
遠藤 C大阪堺は勢いがあって、雰囲気の良いチームだという印象がありましたが、自分の中では負けるとは思っていませんでした。本当に悔しかったです。前半のチャンスを決め切れず、後半も粘り強い攻撃と守備を続けましたが、結果的に敗れてしまったので、まだ力が足りなかったと感じました。
――自信を持って臨んだ大会で敗れた後のチームの雰囲気は。
遠藤 とても悲しかったですが、私たちのときは全国大会が7月に行われていたので、その後に続くリーグ戦やなでしこチャレンジリーグに向けて、もう一段階ギアを上げるきっかけになりました。その結果、皇后杯の東海予選で優勝できました。この大会での悔しさがつながっていたんだと思います。
――中学進学とともに福島県から静岡県で活動するJFAアカデミー福島に加入しましたが、どのような中学時代でしたか。
遠藤 寮生活で、学習時間や消灯時間など生活リズムが決められた中で過ごしていました。サッカー漬けの毎日でしたね。その中で、最初は小学校を卒業して間もなく親元を離れていたので、ホームシックになることもありました。あとは洗濯などもそれまで親がやってくれていたことを自分でやらなくてはならなくて、すごく大変でした。そこで親のありがたみを感じました。また、そういうときに同期と助け合ったり、先輩も支えてくれたり、いろいろな人と支え合った中で過ごした6年間だったので、思い出はすごくあります。
――中学時代に一番成長したと感じる部分は。
遠藤 小学生のときは個の力でプレーすることが多く、とにかく「自分が、自分が」というスタイルでした。そういうプレーも大事ですが、学年が上がっていくにつれて仲間と連係することだったり、戦術に合ったプレーを理解していかなくてはいけません。チームスタッフと分析をして、自分がチームの中でどういう役割を担うかということはすごく学びました。
――プレー面で今も生かされていることは。
遠藤 自分は左足のシュートやキックを得意としていますが、そこは当時の監督に蹴り方を教わって、自分のキックフォームを直して飛距離を伸ばしたりしていたので、それは今につながっていると思います。
――今大会に出場する選手たちへメッセージをお願いします。
遠藤 とにかく楽しんでほしいです。勝ち負けも大事ですが、自分が中学3年生のときは自分が楽しむのもそうですが、見ている人にも楽しんでもらおうとチーム全体で意識していました。それが準優勝ではありますが、結果としても出ましたし、見ている人から「面白かったよ」と言ってもらえました。そういう意味では自分が掲げた目標は達成できていたと思います。ノックアウト方式は負けたら終わりでシビアな戦いになると思いますが、負けていたり、ギリギリの試合展開でもチーム全体で乗り切ってほしいです。最後は笑顔で終えられるように一人一人に楽しんでもらいたいです。
大会期間:2021年12月11日(土)~12月27日(月)