なでしこジャパンは26日(月)、グループステージ第3戦のチリ戦を翌日に控えて冒頭15分のみ報道陣に公開してトレーニングを実施しました。
グループステージ2試合を終えて勝点1、グループEの暫定3位につけるなでしこジャパンがノックアウトステージに進むには勝点が必要です。ひとつでも多くのゴールとともに勝点3を積み上げて、上位突破を目指します。
この日のトレーニングは冒頭15分のみを報道陣に公開、その後は非公開として集中して試合に向けた準備に取り掛かりました。わずか2日の中日にできることは、コンディションを整えること、試合に向けてモードを切り替えていくこと、そしてこれまで積み重ねてきたなでしこジャパンのサッカーをピッチで表現できるように今一度整理することです。セットプレーを含めて約60分、入念な確認に時間を割きました。
台風の接近で荒天が予想される仙台での試合を前に報道陣の取材に応じた高倉麻子監督は、「嵐は勘弁してほしいですが、ピッチで嵐を巻き起こしますよ」と笑いを誘いつつ、サッカー競技で唯一の有観客になる会場ということで、「声援を力に変えて戦いたい」と力強く話しました。
東京2020オリンピックサッカー女子、グループE第3戦のチリ戦は27日(火)20時キックオフ予定です。
選手コメント
MF #6 杉田妃和選手(INAC神戸レオネッサ)
カナダ戦、英国戦ともに、チームとして安全な試合運びを考えすぎてしまったかなと思います。日本の良さはテクニックや奪われないようにパスで回すことや、相手のプレッシャーをいなすビルドアップですが、そこに時間や手数をかけすぎてしまい、ゴールに向かう回数が少なかったり、迫力に欠けたり、仕掛けが少なかったことは課題です。これまで守備重視で戦ってきましたが、勝たないといけないという姿勢を見せるためにも、リスクを負ったプレーを増やしていくべきだと思っています。サイド突破で相手に嫌がられるプレーをしたいですが、それがゴール前につながっていないのは自分自身の課題なので、プレーそのものに怖さを持たせながら、ゴール前に仕掛けてシュートで終わったり、クロスやチャンスボールを出すことにもチャレンジしていきたいです。
MF #12 遠藤純選手(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)
次のチリ戦は、1戦目、2戦目以上に勝つことにこだわらないといけない試合ですし、有観客ということもあり、本当に勝ちたい試合です。前線の選手でありながら結果を残すことができていませんし、守備でも奪い切るところで奪えなかったりと、攻守に課題が残る2試合だったので、それを踏まえて、攻守に相手に負けることなく、勝負にこだわって自分のプレーを出したいです。足を振る回数が少ないというか、ゼロに近いので、シュートを打つことはもちろんですが、ゴールに繋がるプレーを増やしていきたいです。
FW #11 田中美南選手(INAC神戸レオネッサ)
これまで男子高校生らと合同でトレーニングを積んできましたが、英国は、スピードやパワーという点では近いものがありながらも、戦術的な上手さが加わった中でのフィジカルの強さというものを感じました。それでも、相手のスピードやクロスへの対応という部分では男子とのトレーニングでもやり込んできたので、高いポジションから見ていても以前とは全然違うと感じました。カウンター気味に攻めることができた時は迫力を持たせられたものの、自分が起点になるポジションが低く、しっかりと収めてから味方の押し上げを待つことを意識していたのですが、ゴールまで行ける回数を増やせなかった点は反省です。相手の帰陣が速くて手こずったところもありました。以前に比べるとチームの守備には意思統一もできていてやられる感じはしませんでしたが、失点しないようにという意識の方が強く、得点するというところにはまだ差があると思っています。失点しないという部分では成長していますが、この先に行くにはゴール奪って勝たないといけないので、試合を積み重ねながら成長していきたいです。
第32回オリンピック競技大会(2020/東京)
サッカー競技日程:2021年7月21日(水)~2021年8月7日(土)