なでしこジャパンは6月7日(月)、10日(木)のウクライナ女子代表戦(広島/エディオンスタジアム広島)および13日(日)のメキシコ女子代表戦(栃木/カンセキスタジアムとちぎ)に向けて活動をスタートしました。
国際サッカー連盟(FIFA)が指定する国際マッチウィークということで、4月と同様に海外のクラブに所属する選手の招集が実現。18人という狭きオリンピックのメンバー枠を争う最後の競争が始まりました。活動初日となったこの日のトレーニングには、移動中の田中美南選手を除く22人が集合。前日や当日に帰国したばかりの選手たちはウォームアップとパス&コントロールまで行い、その後は軽いメニューでコンディションを調整しました。その他の選手はポゼッション要素を取り入れたメニューでしっかりと汗を流して1日目を終えました。
高倉麻子監督はメンバー発表会見で「今回招集した23人から東京オリンピックの18人を選ぶとは限らない」と話し、今回招集外となった選手も含めてコンディションや組み合わせを見極めて選考に取り掛かります。この日の夜のミーティングでは「東京オリンピックは過去に例のない特別な大会になる。みんなはそこに臨むチャンスがある特別な選手。約5万人いる女子サッカー選手を代表するプライドと、自信と自覚を持って戦って欲しい」と語りかけ、“競争”と“共創”に期待して一日を締めくくりました。
国際親善試合 ウクライナ女子代表戦は6月10日(木)15:15キックオフ予定です。
選手コメント
GK 1 池田咲紀子選手(三菱重工浦和レッズレディース)
代表の活動に来ると、東京オリンピックまであと何日ということを毎回確認するので、いよいよだなと感じていますし、自分のスケジュールを見ても残された時間のなさを感じて、後悔しないように何をしようとか考えますが、一方ですごく楽しみな気持ちもあります。オリンピックが近づいてきて、家族も体調やコンディションを気にしてくれていますし、周りの方もすごく気を遣ってくださっていて、その期待に応えたいという思いが強いです。ここまで結果的に2番手で来て、それに甘んじてきたわけではありませんし、出る機会はしたたかに狙ってきました。いつチャンスをもらっても100%の力が出せるように取り組んできたので、そこは評価してもらえている部分でもあると思います。チャンスが巡ってきたら必ず結果を残したいという思いが強いですが、やることは変わらないので、あくまで自分らしく、これまで通りに取り組んでいきたいと思っています。
DF 2 清水梨紗選手(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)
代表チームでも自チームでも、強いリーダーシップを持って取り組むというのはずっと意識してきました。代表にはそういった選手が多いと思うので、その部分でも負けずに、自分の良さやリーダーシップを発揮してチームをいい方向に高めていかないとと思っています。プロリーグとしてWEリーグが立ち上がり、会場に来てもらえるかどうか自分たちのパフォーマンス次第だと思います。もう一度観たいと思ってくれる人をもっとたくさん増やさないといけないと思っていて、代表戦はテレビで放送してもらえて多くの人の目に届くと思うので、楽しいサッカーを観てもらい、この選手を応援したいなと思ってもらえるようになっていきたいです。結果はすごく大事だと思うので、そのためにも金メダルを目指して、チームとしても、個人としてもがんばります。オリンピックに関われるチャンスは初めてで、メンバーに入りたい気持ちは強く、チームとして金メダルを狙っている中で、自分にできることを精一杯やるという気持ちは強くなっています。
MF 7 中島依美選手(INAC神戸レオネッサ)
代表チームという場所にいる以上はひとりひとりの自覚はすごく大切だと思います。メンバーも限られていますし、そこには年齢の高い・低いは関係ありません。いい競争の場であり、経験がある立場として、チームに求められていることをしっかり理解して取り組みたいと考えています。限られた時間しかないので、今回2試合ありますが、そこで自分たちに何ができるか、自分たちの課題に向き合うチャンスでもあるので、日々のトレーニングからコミュニケーションをしっかりとって、時間を大切にしていきたいです。今回は海外組も参加していて、国内キャンプでは一緒にできなかった分、この時間は本当に大切にしないといけないですし、時間はあるようでないので、トレーニングでのコミュニケーションを大事にして合わせていきたいです。
FW 8 岩渕真奈選手(アーセナル/イギリス)
東京オリンピックまで時間がない中で、個々が攻守にチームコンセプトを理解した上でそれをピッチの上で表現することが大事なので、ウクライナ戦まで3日間ですが、一人ひとりがチームとしての意識を高く持って取り組むことが大事だと考えています。以前に比べると攻撃の形ができつつある中で、今回は4月の試合より対戦相手のレベルが少し上がると思いますが、前回の反省を踏まえた上で日本の形を出していければと思っています。コロナ禍で代表チームとして海外勢と戦う機会がなかった状況の中で、移籍した半年間、大きくて速くて強い相手に対してやれたというのは、海外に行ってよかったと素直に思える時間でした。そこで、あらためて日本が長けている部分を感じることもできたので、このチームにしっかり還元して、自信を持って戦えるように良いところを伸ばせたらと思います。2011年のワールドカップ優勝を経験して以来、結果が大事だというのは常に思っていることです。自分たちがいい結果を残すことでWEリーグの盛り上がりにも影響するので、海外でプレーしているということは関係なく、選手全員が持たなければいけない自覚だと思っています。