第28回全国レディースサッカー大会が3月18日(土)、時之栖スポーツセンター(静岡県裾野市)で開幕しました。大会初日は全国各地域の代表16チームが4グループに分かれ、1次ラウンド第2節までを戦いました。1次ラウンド後には全チームが各グループの順位別に振り分けられる順位別トーナメントへ進みます。全国から集結したチームが1位グループへの勝ち上がりを目指して、熱戦を繰り広げました。
前回大会、初出場で初優勝を成し遂げたUILANI FC(関東1/埼玉)が入ったグループAは、各地域予選を首位通過したチームが集まる組らしく、激しい戦いが続きました。UILANI FCの連覇へ向けての初戦は、みえ高田FC(東海1/三重)と1-1のドロー。第2節ではHABATAKE(北海道)に7-0と快勝したものの、みえ高田FCとKochi ganador FC(四国1/高知)も最終節の結果次第では1位トーナメント進出の可能性があり、大会2日目も激戦は必至です。
グループBも拮抗しています。この日行われた4試合のうち、3試合が勝点を分け合う結果となりました。グループ唯一の勝利を挙げたのはFC.VIDA Feliz(関東3/千葉)。緊張の初戦で国見FCレディース(九州2/長崎)に1-0と競り勝っています。ともに2試合連続スコアレスドローを記録したRC 刈谷FC PROJECT SONIA(東海2/愛知)と、おいでやす京都(関西/京都)は2位タイにつけています。首位決定は得失点差の争いに及ぶ可能性もあり、最後まで緊張感ある戦いが続きます。
グループCをリードするのは、3大会前に準優勝している小平サッカークラブ(関東4/東京)です。1度は追いつかれながらも、スポーツの森・大津マリノス(九州1/熊本)に3-1と勝利した初戦、終了間際の49分に挙げた先制点が決勝点となった長野フレンズ(北信越/長野)との第2節と、苦しみながらも連勝を飾りました。勝点3で追うAngora(中国2/岡山)との最終節で引き分け以上の結果に終われば、首位通過が決まります。
グループDでは、横須賀シーガルズレディース(関東2/神奈川)が2試合合計12得点と攻撃陣が爆発しました。その攻撃を牽引したのは伊藤美菜子選手です。水沢ユナイテッドFC(東北/岩手)戦、徳島県選抜(四国2/徳島)戦ともに、シュート5本で4得点と、ここまで8ゴールを挙げています。ただし、鳥取レディース(中国1/鳥取)も2連勝。2試合とも1点差で勝利と、しぶとさという対照的な強みを前面に、最終節で首位通過を懸けてシーガルズと直接対決します。
大会第2日目となる3月19日(日)は、1次ラウンド最終節と、順位別トーナメントの各1回戦を行います。
選手コメント
大槻智恵選手(HABATAKE)
全国に来ると、やはり皆さん上手ですね。全然レベルが違うので勉強になります。普段は室蘭と札幌と旭川でそれぞれプレーしていますが、この時期は雪のためにフットサルになるため、まずボールに慣れるところからのスタートでした。皆、小さい頃からサッカーをしていて、サッカーが好きでこうして全道から集まっています。ここに来るのを目標に一年間リーグ戦でプレーする選手もいるし、参加できない人もフットサルでトレーニングしています。前回優勝チームもいる組なので、自分たちが持っているものをできるだけ出そうと話していました。ベンチからも明るく盛り上げてくれているので、2日目以降も頑張ります。
中西ひろ選手(Kochi ganador FC)
年齢が高めですが、気持ちや集中力でカバーできる部分は大きいです。2戦目はだいぶやられるかもしれないと予想しましたが、強いチームを相手に楽しんで、どこまでできるかやろうと盛り上げました。中学時代からずっと一緒にやっているチームですが、練習に毎回来られるのは4、5人くらいです。急きょ参加してもらった選手もいるものの、もともと一緒にやっていたので連係が合う部分もあると思います。個人的には、全力で走れるからサッカーが好きで、強い相手とやれるからこそ自分の力以上のものが出ると思っています。昨年は2位トーナメントに進んで、全体で5番目、その前は8番目でした。最初は「魔のグループ」に入ったと思いましたし、最終節で当たるのは昨年の優勝チームですが、だからこそ頑張りたいと思います。
佐々木エリカ選手(水沢ユナイテッドFC)
自分たちのミスなどで負けたという面もありますが、2試合とも雰囲気はとても良かったですね。いつも試合への入り方が悪いので、前半がもったいなかったなと思います。年長の選手の数は減ってしまったのですが、昨年の大会に出たことで、アンダーエイジ枠にあたる選手は増えました。今年は練習の機会も少ない上に全員で集まることができず、雪のために室内練習となって、あまりボールも蹴れませんでしたが、若い選手が入ってくれて良い流れにあります。さらに楽しさを伝えていきたいですね。いけそうでいけないところは甘さがあるのかもしれませんが、雰囲気は良いので、また1勝を目指してやっていきます。
原洋子選手(鳥取レディース)
鳥取は昔、中国地域でも大敗するほど周囲と力の差がありました。それでもしぶとさで予選を勝ち抜き、今日の2試合でもまさにそういう戦いができました。鳥取は本当に選手人口が少ないのですが、この大会に出たいからとプレーを再開する人が出てきました。今回、人数が足りなくなり県外も含めOBに声をかけたところ、家族総出で来てくれた選手たちがいます。「全国大会の助っ人なんだから絶対に行くべき」と、本人以上にやる気になってくれた旦那さんもいたほどです。全国の舞台で強い相手とこんなに良い環境で対戦できるというのは、やはり貴重な体験です。最終節でも私たちにできるのは、一生懸命なプレーだけです。この優勝候補との対戦も、鳥取の女子サッカーの財産になっていくと思います。
JFA-TV
第28回全国レディースサッカー大会
2017/3/18(土)~2017/3/20(月・祝)
時之栖スポーツセンター裾野グラウンド(静岡県裾野市)
大会情報はこちら