日本サッカー協会(JFA)は11月18日(金)から20日(日)、今年最後となる女性指導者スキルアップ研修会を静岡県で開催しました。本研修会はJFA公認指導者資格の上位ライセンス取得を目指す女性指導者を対象とし、今年度から開始した試みです。第1回は大阪府、第2回は山梨県、第3回は宮城県、そして今年最後の第4回は静岡県での開催と、各地で行ってきました。今回は広島県から千葉県まで11名の受講生が集まり、指導実践を中心とした内容となりました。
研修会の初日はガイダンス、そして「プレーの分析とプランニング」「コーチング法」の講義から開始。翌日からの指導実践に向けて、2人1組のグループが大野真インストラクターから発表され、10月に終了したばかりのFIFA U-17女子ワールドカップ決勝の日本対朝鮮民主主義人民共和国の映像を見ながら、チームの守備と攻撃をテーマにゲーム分析を行い、トレーニングメニューを組み立てました。どのグループも長時間ディスカッションをしながら念入りにメニューを組んでいました。
2日目はあいにくの雨となりましたが、それぞれのグループで立案したトレーニングメニューをもとに、静岡東高校の男子選手を対象に指導実践を行いました。夜にはJFAテクニカルスタディグループによるFIFA女子ワールドカップカナダ2015の分析を聴講し、当日行った指導実践を振り返りました。そして、翌日の指導実践に向け各グループで再度トレーニングメニューを練り直しました。最終日は晴天の中、清水東高校の男子選手を対象にゲームで締めくくる指導実践をグループごとに行いました。
女性指導者スキルアップ研修会は、来年度も計4回の開催を予定しています。日程は決まり次第JFA公式Webサイトにてお知らせする予定です。
受講者コメント
福田あやさん(神奈川県)
内容については、期待以上でした。指導ポイントの再確認や新たな発見はもちろん、最新の情報(テクニカルスタディグループなど)や今後のA級ライセンスに関する情報など、短い時間の中で十分に詰まっていたと思います。全ての面で本当に為になり、最高の3日間を過ごすことができました。大勢の新たな仲間とも出会うことができ、指導者としての向上意欲をさらに掻き立てられました。「百聞百見は一験に如かず」だと改めて身をもって経験し、参加してよかったと心底感じています。
田中理沙さん(島根県)
試合分析をしっかり行い指導案を起こし実際に指導する・・・そこで起こる現象をさらに分析して、という繰り返しがとても大切で、選手が上達するために何をしなければならないかを改めて考えさせられました。上級者の方々の中で指導を行うにあたり参加前は不安しかありませんでしたが、受講生の皆さん・高校生の皆さん・スタッフの皆さんの胸をお借りし取り組むことができたのは不安以上の貴重な体験と経験でした。地元に持ち帰り女性のライセンス取得者が増えるよう努力と発信をしていかなければならないと思いました。
阿部美帆さん(広島県)
全国の高い志を持っている指導者と研修ができ、いろんな考え方を知り、学ぶことができました。日本代表のことやエリートの活動をもっと知るべきだと思いました。女性指導者対象ということで、悩みや苦労も腹を割って話をすることができましたし、励みにもなりました。話をしていけば、指導者同士もどこかでつながっているので、すぐに打ち解けることもできました。この出会いを大切にしながら、今後の活力にしていきたいと思います。