なでしこジャパン(日本女子代表)は26日(火)、茨城県立カシマサッカースタジアムでEAFF E-1 サッカー選手権 2022 決勝大会第3節の中国女子代表戦に臨みました。
引き分け以上で優勝が決まる日本は、チャイニーズ・タイペイ女子代表戦から先発7名を入れ替え、GK山下杏也加選手が今大会初出場。清水梨紗選手がキャプテンマークを巻き、宝田沙織選手が3試合連続の先発、植木理子選手が初戦以来の出場となりました。
1〜2月のAFC女子アジアカップインド2022準決勝で、日本が2-2(PK3-4)と敗れて以来の再戦は、序盤から日本がボールを保持して進めます。11分、千葉玲海菜選手が落としたボールを宮澤ひなた選手が右足で強烈なシュート。これはわずかゴール右に外れ、会場のため息を誘いました。
優勝には勝利しかないアジア女王の中国も時折攻撃を仕掛け、チャン・ルイ(張睿)選手が26分にシュートを放ちますが、清水選手が中央に絞ってクリア。日本は今大会初のナイトゲームで湿度が高いコンディションですが、守備陣も集中を切らしません。
0-0で迎えた後半も日本が主導権を握り、51分には清水選手のスローインを受けた植木選手が、クロスバーに直撃する惜しいシュート。中国ゴールに近づきますが、ゴールは生まれません。
74分には中国がカウンターを仕掛け、警戒していたワン・シャンシャン(王珊珊)選手にボールが渡りますが、宮川麻都選手の素早い帰陣でこれを防御。後半の被シュート数は1本のみで、中国の反撃を許しません。
池田太監督は成宮唯選手や清家貴子選手をピッチに送り、日本は終盤も攻勢に出ましたがゴールは生まれず0-0でタイムアップ。最後までアジア女王を脅かし、2勝1分で首位を守った日本が2大会連続4度目のE-1選手権優勝を果たしました。
試合後の表彰セレモニーでは、ベストゴールキーパー賞にGK山下選手が、大会MVPに清水選手が選出。そして清水選手が壇上で優勝トロフィーを高々と掲げると、カシマサッカースタジアムの夜空に金銀の紙テープが舞い、池田監督体制の初タイトルに会場から大きな拍手が起きました。
優勝を懸けた翌日のSAMURAI BLUE(日本代表)の日韓戦に向けても、勢いを加えるなでしこジャパンのE-1選手権連覇となりました。
監督・選手コメント
池田太 監督(なでしこジャパン)
日本開催のE-1選手権で優勝という目標を達成できて嬉しく思います。決着をつけたかったですが粘り強く戦えたのはよかったです。修正してさらに成長しないといけない部分はありますが、まずはタイトルを取った喜びを共有して噛み締めようと伝えました。3試合それぞれにいいトライができましたし、今日も選手たちは自分の役割と戦う姿勢を出してくれました。いろんな積み上げはありましたが、これがすべてではなく、また一歩一歩前に進みたいと思います。
DF #3 宝田沙織 選手(リンシェーピングFC/スウェーデン)
チームで目指していたところなので、優勝できてよかったです。個人のところで当たり負けしないところと(相手FWに)前を向かせないところ、前で潰すというところはできたと思います。今大会はいろんなポジションで出場することができ、うまくやれた部分もありましたが、細かい部分や強度は試合を通して課題だと思ったので、そこはチームに戻ってもしっかり取り組んでいきたいです。
MF #16 林穂之香 選手(AIKフットボール/スウェーデン)
韓国戦では(ボールを)放り込まれてセンターバックがはね返した後、ボランチを含めた中盤で(セカンドボールを)回収できずシュートまで持っていかれるシーンが多かったので、そこを意識して入りました。90分通して日本がボールを回収できたことにつながったと思います。でも、チャンスを作る部分はもっとできたし、攻めていたので(勝ち切れず)悔しい気持ちはありますが、ひとつの大会で優勝して終われたので、今日は喜びたいと思います。
FW #19 植木理子 選手(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)
結果として勝ち切れなかった部分は、選手全員がもちろん納得していないというか、悔しい気持ちは持っています。ただ、優勝という最低限のところがクリアできたのはよかったと思います。今大会はアシストこそありましたが、自分でゴールを取れてないのはFWとして一番悔しいところです。そこは課題でもあるので、次につなげる試合になったかなと思います。個人としては悔しい思いはありますが、まずは日本がE-1で優勝できたのが一番だと思います。
EAFF E-1 サッカー選手権 2022 決勝大会
大会期間:2022年7月19日(火)~26日(火)
会場:茨城/茨城県立カシマサッカースタジアム
女子出場国:日本、中国、韓国、チャイニーズ・タイペイ