なでしこジャパン(日本女子代表)は7月25日(月)、EAFF E-1 サッカー選手権 2022 決勝大会の中国女子代表との試合を翌日に控え、午前にトレーニングを行いました。
第1戦の韓国戦、第2戦のチャイニーズ・タイペイ戦をそれぞれ2対1、4対1で勝利したなでしこジャパンにとっては、1勝1分で最終戦を迎える中国に対し引き分け以上で優勝が決まる一戦となります。今年1、2月に開催されたAFC女子アジアカップでPK戦の末に敗れた相手に、チームには引き分けを狙う様子は微塵もありません。「絶対に勝ちにこだわる」と今回の活動でチームキャプテンを務める清水梨紗選手は力強く語り、全勝での優勝を目指してタイトルマッチに臨みます。
練習は開始時すでに30℃を超す暑さの中で行われました。ステップワークのトレーニングで体幹に刺激を入れながら全身を動かします。最後は少し長めのスプリントでまとめると、ここで公開部分は終了。以降は非公開で行われ、ゲームやセットプレーを中心に、中国戦に向けた確認を行いました。全体練習は約70分で終了しましたが、アタッカー陣とGK陣で恒例となりつつある自主的なシュート練習がその後にスタート。短い時間ながら両者集中力高く臨み、それぞれに試合をイメージし感覚を研ぎ澄ませていました。
練習後取材に応じた山下杏也加選手は「メンバーは即席かもしれませんが、それでも結果を残すのが代表という場なので、この2試合を勝って好条件で中国戦に臨めるのはみんながこの暑さの中でも走った結果」だと、これまでのチームメイトの戦いぶりに感謝を示しながら、「チームが集中力高く、一つひとつにこだわってプレーできるように働きかけたい」とコメント。そして「今回こそはチームを勝利に導くゴールを決めたい」と意気込むのは植木理子選手。自身が2ゴールを挙げながらも勝利に繋げられなかったAFC女子アジアカップの準決勝を振り返りながら、それ以来となる中国女子代表との一戦での出場機会を窺いました。
夕食後にはミーティングを行い、池田太監督からも「明日はビッグマッチ、ファイナル(決勝戦)だ。良い準備を積み上げていこう」と声がかかり、大会連覇に向けてチームの士気を高めました。
池田太監督就任以降初のタイトルが懸かった試合となる中国戦は茨城県立カシマサッカースタジアムで26日(火)19:20キックオフです。
選手コメント
GK #1 山下杏也加 選手(INAC神戸レオネッサ)
韓国戦、チャイニーズ・タイペイ戦はベンチから見ていましたが、即席のチームでも代表は結果を残す場ですし、その2試合を勝てて次の中国戦に好条件で臨めるのは、みんながこの暑さの中走った結果だと思います。自分自身も優勝に少しでも貢献できるように、チームのために自分が雰囲気を作ることや、集中して一つひとつにこだわってプレーできるように働きかけてきました。
韓国対中国の試合を映像で見て、中国は1点取られても最後まで追いつける力を持っていると感じましたし、それはインドでの女子アジアカップでもそうでした。クロスからの攻撃がストロングですし、身長も高いので、それに対して準備が悪いとやられてしまいます。この2試合失点が続いているので、もし自分が出られればゼロを目指したいと思います。
この暑い中での最後の試合になるので、みんな疲労度も高いと思いますし、守備をする時間を短くしたいです。自分も90分を通してロングパスでチャンスを作っていきたいですし、そのチャンスはたくさんあると思っています。
DF #2 清水梨紗 選手(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)
ここまでの2試合を終えて、韓国戦は追いつかれて主導権を握り切れない中でも勝つことができ、チャイニーズ・タイペイ戦も、新しく入ったメンバーが多くスタメンにいたなかで、先制点を取られてもそこから準備してきたことで点を取れたのはチームとしても自信になりました。ベンチから見ていて色々と学ぶことができましたし、3戦目もチーム全員で勝って、優勝を目指したいです。
今回の活動は新しく入った選手が多く、今までと違う雰囲気の中で3連戦に臨んでいますが、その分一つひとつの練習がすごく大事だと実感していて、それが試合につながっていると感じています。細かなコミュニケーションはどんなメンバーになっても欠かさずにやっていかなければいけないとこの合宿で感じています。
見ている方に届くのは得点や勝利だと思いますし、それは自分にとっても嬉しいことです。サポーターの方も喜んでくれると思うので、得点や勝利を見ている方に届けていきたいです。
FW #19 植木理子 選手(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)
最終戦で優勝を懸けて戦えるのは、全員でここまで2勝した結果です。個人としてはゴールがまだないので、試合に出られればゴールを決めたいです。
(中国に敗れたAFC女子アジアカップとは)自分たちもメンバーが違いますし、相手も全く同じサッカーをしてくるわけではないので、良くも悪くも引きずっていません。あの試合は自分がゴールを決めたもののチームを勝利できなかったので、今回こそはチームを勝利に導くゴールを決めたいです。1試合1試合の大事さは変わりませんが、優勝は特別なものなので、それを懸けた戦いはより一層気合が入ります。自分のプレー次第で優勝できるかどうかが変わるという重みも感じますし、それも含めて楽しみたいです。
ここから代表に残っていくために、やるべきことは自分がサッカーを始めた時から変わりません。練習、試合を全力でやることは昔からやっていることで、それが必要だと思っています。ただ全力でやるだけでは生き残れないので、試合に継続して使ってもらえるように、練習から頑張っていきたいです。
EAFF E-1 サッカー選手権 2022 決勝大会
大会期間:2022年7月19日(火)~26日(火)
会場:茨城/茨城県立カシマサッカースタジアム
女子出場国:日本、中国、韓国、チャイニーズ・タイペイ