EAFF E-1 サッカー選手権 2022 決勝大会を戦うなでしこジャパン(日本女子代表)は7月24日(日)、チャイニーズ・タイペイ戦から一夜明け、午後にトレーニングを行いました。
前日の試合で長時間プレーした10人のフィールドプレーヤーはリカバリー中心のメニューとなり、全員で行ったウォーミングアップのボールトレーニング後はジョギングやゴムボールを使った軽運動、体幹トレーニングを行い、1時間弱でピッチから切り上げました。
一方、前日出場時間の短かった選手はこの日もハードに練習に取り組みました。ウォーミングアップ後は縦方向を意識したパスゲームをこなし、続いてペナルティエリア幅のコートで5対5+GKのゲームを実施。インプレー中にコーチから名前を呼ばれた選手はピッチ外に立てられたダミー人形をタッチして戻らなければいけないというルールが設定され、不意に守備陣形が崩れた際に素早く別の選手がカバーに入る切り替えの早さと判断力が求められました。そんな中で長野風花選手が強烈なミドルシュートを決めるなど、攻撃も相手の隙を見つけては積極的にゴールへ迫りました。その後は同じ幅のコートの縦方向を短くし、ペナルティエリア2つ分のサイズのコートで5対5+GKへ。今回の活動を通して池田太監督が選手に伝えている寄せのスピードや球際での強さ、相手選手に食らいついていく姿勢がこのトレーニングでも要求され、選手もそれに応えるべく攻守両面で身体を投げ出しプレーしていました。大会が開幕してから8日間で3試合というタフなスケジュールですが、トレーニングも含めた1日1日を無駄にすることなく、チームは課題の克服と成果の積み上げを図っています。
全体練習終了後はGKの3選手がピッチに残りトレーニングを継続。ダミー人形をゴールエリア前に3つ立て、さらにゴールに入らない2選手がその人形の周囲を動きながら、視界が悪い中で飛んでくるシュートをストップするメニューに取り組みました。ストレートに飛んでくるシュートはもちろん、不規則に人形に当たったボールや他選手がコースを変えたボールにも反応しながら、守りにくい環境下でも守り切る集中力と対応力を磨きました。前日の試合でフル出場した平尾知佳選手もこのメニュー含めすべてのトレーニングに参加。各々がチーム力向上のために、自分自身とも向き合いながら成長のために時間を過ごしています。
練習後はアイスバスや交代浴でしっかりとコンディショニングも行い、身体のケアにも余念なく取り組む選手たち。優勝の懸かる中国女子代表との一戦に向け、ピッチ内外で準備を続けます。
選手コメント
DF #26 高平美憂選手(マイナビ仙台レディース)
途中からの出場でしたが、試合前に監督からセンターバックとサイドバック両方のイメージをしておくように言われていました。イメージをした中で実際にプレーをして、ファーストボールに触った時に味方とのパスがうまくいかなかったので、試合の入りをもっと良くしなければいけません。自分のストロングポイントは攻撃の起点になるパスなので、それは通用したと思います。センターバックは守備の要だと思うので、途中から入ったから自分は他の選手よりだめなのだと思うことなく、自分がより引っ張っていかなければという気持ち、自分が守備のリーダーだという気持ちを持って臨みました。これは常に意識していることです。
(過去に池田太監督の下でプレーした)U-20女子代表の時にサイドバックは攻撃的だと感じて、そこから所属チームでは守備はもちろんより攻撃的にオーバーラップを何度もするプレーを意識して練習してきました。何回かパスを出す中でうまくいったときもあれば味方とボールがぶつかってしまった時もあり、それでカウンターを受けてしまうこともあったので、味方との連係はもっと高めていきたいです。
MF #10 長野風花選手(ノースカロライナ・カレッジ/アメリカ)
(次に対戦する中国には)AFC女子アジアカップで私たちは負けていますし、アジアカップの決勝での戦いや昨日の試合(中国対韓国)を見ても跳ね返す力、追いついて追い越す力など、チームとしての力は大きいものがあるなと感じています。女子アジアカップでもそうでしたが簡単な戦いはありません。私たちにとって厳しい時間帯や難しい時間もあると思いますが、声を掛け合ってゲームの流れを読んで、その時その時で良い判断、決断をして、チームの勝利につなげたいです。次の試合はタイトルが懸かっていますが、負けていい試合というものはありません。重要な一戦ですが、みんなも絶対に勝たなければいけないという思いを持っていますし、一人ひとり状況が違う中でもポジティブにアグレッシブに積み上げてきたものを出そうという空気感があります。みんなでそれを高めて、このなでしこのチームで一丸となって戦いたいです。
ワールドカップはサッカーで一番大きな大会ですし、自分がサッカーを始めた頃から目指してきた場所です。そこで戦うために、中盤でしっかりゲームをコントロールしながらチャンスをより多く作れて、守備の面でも中盤の戦いに勝って、チームの流れをよくするプレーをイメージとして持っています。ただまだまだ足りないので、伸ばしていきたいです。
MF #23 中嶋淑乃選手(サンフレッチェ広島レジーナ)
チャイニーズ・タイペイ戦は、個人的にはドリブルで何度か仕掛けることができましたが、判断が遅かったり、簡単なミスが少しあったので、今後の課題だと思っています。試合が始まってからなくなりましたが、試合前はすごく緊張しました。みんながいつも通りプレーすれば大丈夫と声をかけてくれてありがたかったです。
自分の特長はドリブルなので、サイドでボールを持った時の仕掛けはいつも通りできたかなと思います。もっと得点につながるアシストや、自分が得点を取れるようにプレーしていきたいです。ドリブルや仲間とのコンビネーションで起点を作って、アシスト、得点でチームに貢献していきたいです。
これから代表に残っていくためには、自分の特長をまだまだ出さないといけないと思います。結果はまだ出せていないので、試合に出たら結果を求めていきたいと思います。
EAFF E-1 サッカー選手権 2022 決勝大会
大会期間:2022年7月19日(火)~26日(火)
会場:茨城/茨城県立カシマサッカースタジアム
女子出場国:日本、中国、韓国、チャイニーズ・タイペイ