U-20日本女子代表候補は、6月6日(月)から福島県のJヴィレッジでトレーニングキャンプを開始しました。
日本中を熱狂させた2002FIFAワールドカップから今年で20年を迎えます。そのちょうど20年前に生まれたこの年代の選手たちは、今年8月にコスタリカで行われるFIFA U-20女子ワールドカップコスタリカ2022に臨みます。
初日の6月6日は、SAMURAI BLUE(日本代表)vsブラジル代表の一戦を全員でテレビ観戦し、同じ日本代表としてピッチで戦う選手たちにエールを送りました。結果は惜しくも0-1で敗れましたが、世界的強豪を相手に戦う姿を見て、選手たちは大いに刺激を受けていました。
6月7日、8日は、9日の練習試合に向けて、チームとしての共通認識を深めることをテーマに、実戦形式を中心としたトレーニングを積み重ねました。
迎えた9日は、聖高学院高校(男子)と45分×2本のトレーニングマッチを行いました。16:00にキックオフしたこの試合、序盤は相手のスピードと寄せの早さに苦戦するも、前半18分にFW山本柚月選手のゴールで日本は先制点を得ます。1-0で折り返した後半も追加点を挙げようと積極的に攻めますが、59分に失点し、1-1の引き分けで試合を終えました。試合終了後、池田太監督はチームの戦いぶりを評価しながらも「勝ちきれるチームになろう」と選手に声をかけ、さらなるレベルアップに向けチームを鼓舞しました。このトレーニングキャンプでは、10日、13日にもトレーニングマッチを予定しており、今日の試合を糧に、FIFA U-20ワールドカップ本大会に向けて、チームは更なる成長を目指します。
監督・選手コメント
池田太監督
今日のゲームも含めて今回のトレーニングキャンプでは3試合を組んでいますが、今日ゲームをやり、明日ゲームをやり、そこから中2日で3試合目というスケジュールにしています。これはワールドカップでの中2日という連戦を意識していて、そこで男子の高校生という強度の高い、スピードのあるチームと対戦し、45分×2本で試合をやらせてもらうことで、選手にも90分の試合勘を取り戻してもらうことを意図しています。今日のスコアは1対1でしたが、選手の取り組みやピッチで自分のエネルギーを出し切って最後まで戦いきったところはすごくポジティブだったと思います。成功も失敗もあって、男子高校生チームにはすごく感謝しています。
相手チームには普段どおりの強度でプレーしてもらうことに加えて、今回は監督さんにお願いして、対戦するオランダやアメリカがベースとしている1-4-3-3、1-4-1-4-1で組んでもらいました。その中で自分たちがピッチ上で相手とのミスマッチにどう対応するかや、守備において誰がどのタイミングで行くかなどをシミュレーションできました。
自分自身、前回大会のFIFA U-20ワールドカップを経験させていただいているなかでいま取り組んでいることは、我々の今のチームは海外と対戦する経験がコロナの影響で少なかったので、タイミングとしては早いかもしれませんがこのキャンプでオランダ、ガーナ、アメリカの戦い方がこうだよということを共有して伝えて、選手の頭を世界基準にしてトレーニングやトレーニングマッチをするというアプローチです。今日もタフなゲームを経験できたと思いますし、もちろんその中で失点のところは色々な修正が必要ですが、粘り強さは見られたのでそこはポジティブだと思います。その1点をどう防ぐか、そして追加点をどう奪うか、勝ち切るゲームにしていくという次のステップに向かう上でポジティブでした。良いシーンは本当にありましたし、意図的に相手陣地でボールを奪えたところもありました。そこは手応えがありますし、選手も自信を持ってほしいと思っています。
長江伊吹 選手(INAC神戸レオネッサ)
前半のいい時間にゴールを決めてリードした中で、前半最後の締め方などは良かったと思いますし、前半から自分たちがやりたいプレーができていたんじゃないかと思います。ただ後半は自分たちのミスから失点してしまって、しばらく相手の攻撃も長く続きました。その中で失点1に抑えられたことは良かったですが、勝ちを目指している中で自分たちのミスでの失点はもったいなかったと思いますし、監督も言っていましたが、勝ち点3を狙った予選の試合で勝ち点1になることは重いことですし、そういう引き分けだったかなと個人的には思っています。
前回の合宿でこれまでの積み上げの確認はできているので、今回そこに時間を使うこと無くやれているのは大きいと思います。今回の9日間の中で、新しいことにも取り組む中で、FIFA U-20女子ワールドカップではオランダ、ガーナ、アメリカという強靭な攻撃の国が3試合続くので、私はセンターバックとして守備の部分を突き詰めていきたいと思います。
今日出た課題を課題のままにするのでなく、少しでも改善して、もちろん失点ゼロで男子相手でも圧倒して勝てるように明日からまたやっていきたいと思います。
山本柚月 選手(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)
前回のトレーニングキャンプから期間が空かずに集まることができて、前回出た課題を中心に意識しながら、男子相手にも球際などで負けずに試合に入れたと思います。その中で前半のうちに点が取れて、いい流れで後半を迎えることができましたが、もう1点、2点を取りに行かないと勝てないと思いました。
(中止となった)前回大会の予選のときは試合に多く出られましたが、点を取れてもごっつぁんゴールが多かったので、個の力不足は感じていました。そこから試合経験も積んだ中で、自分で相手のDFを1枚剥がすプレーやゴールを自分で決めるような部分は少し自信が持てるようになってきています。所属クラブでトップに昇格して、大人のサッカー、プロのサッカーを経験する中で、スピードや頭の回転が速い中で練習することや、WEリーグで試合に絡めたことで自信にはなっています。ドリブルや相手を剥がしてチャンスメイクして、そして点を取るというプレーがどれだけ世界で通用するかというのは個人で楽しみにしている部分です。自分たちも楽しんで、見ている人も楽しめるサッカーをチームとして目標にしているので、そういうプレーがチームとしてできればと思います。
福田史織 選手(三菱重工浦和レッズレディース)
今日は久々に45分×2本での90分の試合をやりましたが、最近は大量失点で負けが続いてしまっていたので、まずは無失点を意識しながら、最初は危機管理として簡単なプレーも選択しつつゴールを目指す意識でプレーしました。相手のプレスに最初は戸惑うこともありましたが、途中から慣れてきて先制点を取れたことは良かったと思います。ただ後半に入って疲れも出てきて、相手の勢いに飲まれて失点してしまったので、そこはもっとチームとしてみんなで声をかけて、引き締めて戦わなければいけないと思いました。
全員とコミュニケーションをたくさん取って、それぞれがどんなプレーが得意なのかを把握することで、自分の後ろからのビルドアップにも活かしていきたいです。オフザピッチでもその日のプレーを確認し合っています。
今までチームとしての活動ができていなかったので、FIFA U-20女子ワールドカップまであと2ヶ月という実感がなかなか湧きませんが、あと2ヶ月しか無いのは事実なので、チームとしてもっと1日1日を大事にして積み重ねていければと思います。