AFC女子アジアカップインド2022を戦うなでしこジャパンは、1月30日(日)のタイ女子代表との準々決勝に勝利すると、FIFA女子ワールドカップオーストラリア&ニュージーランド2023への出場権を獲得します。大事な一戦を翌日に控え、チームは試合の地であるナビムンバイで最終調整を行いました。
グループステージを戦ったプネーに比べ、やや湿度の高いナビムンバイ。連戦のコンディションも考慮し、トレーニングは約60分と短い時間で集中力高く行われました。その中でもメリハリを持ち、ウォーミングアップでの様々な姿勢や動きを取り入れたトレーニングでは時折笑い声が上がり、その後の戦術的な確認を行う部分では一様に真剣な表情で言葉を交わしながら、タイ女子代表との一戦に向け準備は進みました。練習後の昼食ではこの日誕生日を迎えた長谷川唯選手と、翌30日に誕生日を迎える乗松瑠華選手を祝い、和やかなムードのもと、チームの結束をさらに強くしました。
またこの日は池田太監督と清水梨紗選手が大会公式の前日会見に登壇。女子ワールドカップ出場権獲得に向け、チームの一体感を強調しました。
ノックアウトステージでは他に、中国対ベトナム、オーストラリア対韓国、チャイニーズ・タイペイ対フィリピンという対戦カードが繰り広げられます。どのチームも女子ワールドカップ出場権獲得に向け準々決勝に対する意気込みは強く、熱戦は必至。日本対タイの試合は1月30日(日)13:30キックオフ(日本時間17:00)です。
監督・選手コメント
池田太 監督
ディフェンディングチャンピオンとしてではなく、このチームの新しいチャレンジと捉えてここまでの大会を戦ってきました。我々のチームは2023年のFIFA女子ワールドカップでも上位に食い込むべく準備をしていますし、そのためにも明日の試合で出場権を獲得したいと思います。タイの監督は日本人の岡本三代さんで、よく知っている方です。選手一人ひとりに役割をしっかり浸透させて、選手もそれに応えているチームだと思います。我々もしっかり準備して臨みたいと思います。グループステージを戦ったプネーよりナビムンバイの方が湿度も気温も高いので、そういう面でも試合をしっかりコントロールしながら勝利につなげていきたいです。私がモチベートするまでもなく、選手はしっかり女子ワールドカップ出場権を取る、そしてこの大会の頂点に立つということを目指していますし、私はその選手たちのモチベーションをひとつにまとめることにフォーカスしています。
DF #2 清水梨紗選手(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)
(優勝に向けての)自信はあります。1試合1試合が大事になるので、次の試合も全員で勝ちに向かっていければと思います。FIFA女子ワールドカップの出場が決まる次の試合は特に重要になりますし、その先を見ずにまずはこの一戦に向けて頑張っていきたいと思います。ワールドカップに出場することは日本サッカーにとってすごく大事なことですし、WEリーグの発展にもつながってくると思っています。そういうものも自分たちは背負って戦いたいです。グループステージと異なり、これからはPKや延長戦が入ってくるので、その次の戦いを考えれば90分で終わらせる必要があると思っています。慌てずに戦いながら、90分で仕留めることがチームにとって大事になると思います。
MF #8 猶本光選手(三菱重工浦和レッズレディース)
韓国戦については、試合の内容は修正するところもたくさんあると思いますが、最初の2試合と比べて拮抗した試合になることはわかっていましたし、簡単なゲームになるとは思っていなかったので課題が出るのは当然だと思います。その中でもしっかり1位通過を決めることができたのは何よりですし、達成できたことは良かったと思います。明日の試合に向けても中2日で、準備の時間は短いですが、ミーティングの時間も含めて今までやってきたこと、積み上げたこともありますし、しっかりみんなで勝ちきって次に進めたら良いなと思います。私たちの目標はまず女子ワールドカップの出場権を取り、その先にこの大会での優勝があります。明日の試合は1つ目の目標である女子ワールドカップの出場権獲得という意味で重要な位置付けの試合です。
タイとの試合では、相手のプレー状況を見てしっかり判断をしていきたいです。ボールを中盤の選手につけてくればしっかりアプローチに行かなければいけないですし、前線の選手がいい形で制限をかけて蹴らせてくれるのであればFWへのパスコースを切ったり、我々のCBが蓋をしたところをはさみに行ったり、CBが跳ね返したボールのセカンドを拾うのが中盤の選手の仕事になると思います。クロスの対応になったときはDFラインの前のスペースを埋めて前向きに跳ね返せるように、対戦する相手の攻撃を読んで、先にポジションを取ることが大事だと思います。
FW #9 菅澤優衣香選手(三菱重工浦和レッズレディース)
グループステージの1位通過はチームとして目標にしていたことなので達成できて良かったと思います。最後の韓国戦はしっかり勝ちきりたかったですが、勝ち点1をもぎとったのは今のチーム力だと思いますし、守備の面でも攻撃の面でもチームとしてやろうとしていることがピッチの上でしっかり表れているのかなと思います。自分自身がなかなかチームの得点や起点になるプレーができていないので、これからの試合で出るチャンスがあればしっかりやっていきたいと思います。最後の決めきるところの技術の問題だと思うので、しっかりトレーニングから意識したいと思います。FWとしては常にゴールは狙っていますし、どのタイミングで出ても常にゴールへの意識を持ってプレーしたいです。ただ自分のゴールではなくても、ゴールへの確率が高い選手が他にいればその選手へのアシストも大事になってきます。まずはチームが勝つことが大事で、その中で自分も点を取れれば一番かなと思います。
奪うという点については、自分自身については今のところ、手応えというより課題が出ていると思っています。前線からの守備でチーム全体のスイッチになるという役割はできているのですが、個のところでもう一歩相手に寄せるとか、自分自身でボールを奪うというところはまだ足りないと思っているので、そこは積み上げていきながら改善できればと思います。
タイは、守備の面ではゴール前で粘り強く身体を張ってきますし、カウンターを狙ってくると思うので、攻めているときのリスク管理はチームでしっかりとやり、チャンスをしっかり決めきれば自分たちのプレーができると思います。
FW #11 田中美南選手(INAC神戸レオネッサ)
ナビムンバイは少し暑く感じていますが、良い雰囲気で試合に臨めそうです。
タイ戦は簡単な試合ではないですし、準々決勝からVARも入ってくるので、試合の入りから最後までのゲームプランが大事だ思います。どの試合も先制点が大事になると思うので、そこは責任を持って取りにいきたいです。VARが入れば嘘はつけないというか、見てしまえばわかることなので、守備の立場では手をしまってプレーしなければならないですし、FWとしてはチャンスになる部分もあると思っています。またVARを確認している待ち時間が長くなると試合の雰囲気も変わってくると思うので、そこは慣れていかなければいけませんし、難しさはあると思います。
自分自身は身体のキレも出てきていると感じていますし、動きの質も上がってきています。ゴールを期待されていると思いますし自分もそこを意識しています。チームにいい影響を与えながらもゴールで貢献していきたいと思います。ここまで点を取れていないのですが、コンビネーションの中でチャンスを多く作れていたり、自分のコンディションが上がってきていると感じているので、そこまで焦ってはいません。もちろんみんなのおかげでここまで勝てているのでそう思えていますが、大事な試合で逃さず決められるように集中していくだけだと思います。
タイが試合の入りから前からガンガン来るのか、ブロックを敷いて来るのかはわからないですが、ブロックを敷かれた場合も焦れずにボールを動かしながら、相手を引き出した中でスペースを空けたときにタイミングよく使う、そこからゴールに素早く向かうというプレーを見せていきたいです。
AFC女子アジアカップインド2022
大会期間:2022年1月20日(木)~2月6日(日)
ノックアウトステージ上位5チームがFIFA Women's World Cup Australia & New Zealand 2023™への出場権を獲得
(※ただし、上位5チームにオーストラリアが入っていた場合、6位までのチーム)