AFC女子アジアカップインド2022を戦うなでしこジャパンは1月26日(水)、翌日にグループステージ1位突破を懸けた韓国戦を控え、約80分間のトレーニングを実施しました。
初戦のミャンマー戦を5対0、第2戦のベトナム戦を3対0で勝利し、グループ首位に立つ日本に対し、第3戦の対戦相手となる韓国も3対0、2対0と連勝し、グループ2位で第3戦に臨みます。すでに両チームともグループステージ突破を決めていますが、それぞれの意地がぶつかり合う日韓戦に向け、なでしこジャパンも準備に余念がありません。
この日もステップワークから始まったトレーニングはゲーム形式の内容を中心に進み、池田太監督の声が幾度となくピッチに響きました。これまでの2試合に比べより隙のない試合運びが求められるなか、状況に応じたポジショニングなど細部にわたりチームとしての約束事を確認します。一方で相手の対策に終始せず、いかにして自分たちの強みを発揮するかにも焦点を当て、昨年10月の新チーム発足時から掲げる「奪う」のコンセプトを体現すべく、ピッチ上で言葉を交わしながらトレーニングは行われました。全体練習終了後にはそれぞれにシュート練習に励む選手、長いボールを蹴りながらキックのフィーリングを確かめる選手など、翌日に向け個々で最終調整を行いました。程よい緊張感に包まれたトレーニングは80分ほどで終了し、チームはグループステージ最終戦への準備を終えました。
日本が入るグループC以外では、中国とチャイニーズ・タイペイがグループAの突破を決め、またグループBではオーストラリアが最終戦を待たずして準々決勝進出を手にしています。大会は27日(木)にグループステージの全日程を終え、各グループ上位2チームと、全グループで3位となったチームの内、成績上位の2チームがノックアウトステージ進出となります。なでしこジャパンのグループ首位突破を懸けた韓国戦は、27日(木)13:30(日本時間17:00)キックオフです。
選手コメント
DF #6 宮川麻都選手(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)
ベトナム戦は、引いてくる相手に対してサイドからの攻撃が有効だと思っていましたが、そのなかで自分がクロスを上げられる回数は少なかったので、その点ができていれば良かったと思います。途中からの出場だったので、守備はしっかり相手に負けないというところ、攻撃については積極的にプレーするよう監督に言われピッチに入りました。なでしこジャパンの選手として女子アジアカップの試合に出場したのは今回が初めてなので、そういう意味では緊張もありますが楽しさもあります。自分自身のコンディションも上がってきているので、良いアピールはできていると思います。
韓国は全体的に技術の高い選手が多いので、守備では色んなバリエーションに対してしっかり注意をして、そこをしのぎながら点を取れればと思います。過去の対戦では攻撃のときにすごくパワーを持って、遠くからのシュートやサイドからのクロスが印象的でした。そういったところは大きく変わっていないと思うので、今回も気をつけたいです。守備のポイントとしてはDFラインだけでボールを奪おうとするのではなく、前線の選手と声を掛け合ってそこからボールを奪っていきたいです。サイドにスピードを持った選手が来ると思うので、個人的にはそこをしっかり抑えて、失点しないようにしたいと思います。
MF #14 長谷川唯選手(ウェストハム・ユナイテッド/イングランド)
韓国も直近の試合はミャンマーとベトナムとの対戦だったので、日本に対する戦い方とは少し違うだろうなと思っています。ただ特徴の分析はしっかりできていますし、これまで戦った傾向も考えながら、しっかり準備できています。
韓国の選手の特徴として球際のところでガツガツ来る印象があり、ヨーロッパの選手と比べて、細かいところまで付いてこられる印象があるので、簡単には剥がせない場面が多くなると思っています。選手としてはチ・ソヨンさんがキープレーヤーになると思うので、彼女がアンカーで出てくるのか、少し前のところでプレーしてくるのかを見ながら注意していきたいと思います。ただ日本としてはどのチームとの試合でもやることは変わらなくて、状況の中で判断しながら戦っていきたいと思います。
日韓戦ではありますが、個人的にはどの試合でも変わりなくプレーできていると思います。今回は無観客ではありますが、テレビで見ている人たちの思い、日本を応援してくれている人たちに対してしっかりいいプレーを見せなければいけないと思います。
ベトナム戦は相手がもっとマンツーマンで選手にどんどん向かって来ると思っていましたが、失点を4までに抑えようというプランがベトナムの戦い方に出ていたと思います。韓国はしっかり前から人に対してプレッシャーをかけてくるチームだと思いますし、その方が自分たちにとってはやりやすさがあると思っています。
FW #10 岩渕真奈選手(アーセナル/イングランド)
インドに来てから1週間誰にも会わずに生活していたので、合流できて素直に嬉しかったです。
次の韓国戦は初戦、2試合目とまったく別の試合になると思っています。引いてはこないと思いますし、相手がどういう戦い方をするかは試合が始まってみないとわからないですが、自分が求められているのは結果、ゴールだと思うので、そういう部分に関われるように、自分らしく積極的に仕掛けて違いを見せられるように頑張りたいです。
隔離期間中は部屋に運んでもらったバイクを漕いで心拍数を上げたり、ボールを使いながら、左右上下の部屋の選手にごめんねと言いながらボールフィーリングを高めたりと、やれることはやったつもりでいます。隔離生活の中で色んな人に迷惑をかけたし、色んな人に助けてもらったなということを今すごく感じています。チームメイトの存在はすごく大きくて、手紙もそうですし、陽性判定が出たときにLINEをしてきてくれたりだとか、あとは自分の部屋の窓からみんなが出発する姿が見えるので、毎回すごい勢いで手を振り合って元気をもらっていました。自分がそこにいられないというもどかしさはみんなを見れば見るほどあったものの、みんなに助けてもらいながら生活はしていました。
初戦と2試合目を見て、スピードが上がる瞬間とゴールの脇までえぐるシーンを増やしていきたいと個人的には思っています。ディフェンスは守りにくいと思いますし、どんな相手に対しても有効だと思っています。チームとしてスピードを上げるタイミングもそうですし、左右に振っていけば仕掛けられる選手はいるので、そういう選手を有効に使うサッカーが1試合、1試合できるようになれば、このチームでの目標は見えてくると思います。
AFC女子アジアカップインド2022
大会期間:2022年1月20日(木)~2月6日(日)
ノックアウトステージ上位5チームがFIFA Women's World Cup Australia & New Zealand 2023™への出場権を獲得
(※ただし、上位5チームにオーストラリアが入っていた場合、6位までのチーム)