日本サッカー協会(JFA)は22日(月)にオンラインで記者会見を開き、フットサル日本代表ならびにフットサル日本女子代表の新監督を発表しました。
フットサル日本代表監督には木暮賢一郎氏が就任。選手としてFIFAフットサルワールドカップに3度(2004年、2008年、2012年)出場し、先日行われた2021年大会には代表チームのコーチを務めました。「フットサルって何?と言われた時代からやってきた」と話し、日本のフットサルを知り尽くす木暮監督が、これまでフットサル界を支えてきた先人たちの想いを受け継いで新たなフットサル日本代表を作っていきます。
その木暮監督が3年半監督を務めたフットサル日本女子代表の新監督に就任した須賀雄大監督は、Fリーグに参戦しているフウガドールすみだを2020-2021シーズンまで15年間、前身チーム時代から指導。指導者としてだけでなく、組織の代表者としてチームを束ねた経験と実績を女子フットサルの普及にも生かしてほしい(北澤豪フットサル委員長)とその手腕を買われて就任しました。男子に比べて歴史の浅い女子フットサルの新たな歴史を作るべく、チームを牽引していきます。
コメント
北澤豪フットサル委員長
木暮監督に関してはU-20フットサル日本代表の監督も兼任し、そして須賀監督にはフットサル日本代表のコーチも兼任していただく形になります。
ブルーノ前監督から新しくすべてが変わるわけではありません。ブルーノ前監督以前から引き継がれてきた日本代表の強化というものは、正しい方向に進んできていると思います。木暮監督はブルーノ前監督と共にコーチとして一緒に積み重ねてきました。当時からブルーノ前監督には、日本人が代表監督になれるように指導していただくということでこのプロジェクトを進めてきました。ワールドカップ終了後にはブルーノ前監督を含めフラットな目で見て、今後我々が目指すワールドカップベスト8以上という目標にたどり着くためには、これまでの積み重ねが必要という判断で木暮監督にさせていただきました。
須賀さんに関しては、フットサルのど真ん中で活躍してきており、自らクラブチームを立ち上げ、そして強化をしてきました。女子のフットサルはアジアの中でもトップレベルにあります。これを継続していくことは当たり前ですが、他のアジア近隣諸国も強くなっています。その中で、中長期的に、女子の環境改善も同時にしていかなければいけないということで、そういった経験も持っている須賀さんを監督に決めさせていただきました。お二人には、新しい部分と、積み重ねて日本代表の強化を進めていってほしいと思います。
木暮賢一郎 フットサル日本代表監督
まずは今日このような場をもうけていただき、ありがとうございます。また、日本代表監督という素晴らしい機会を与えてくれた田嶋会長、北澤委員長に感謝すると共に、期待に応えられるような仕事を全力で行っていきたいと思います。
私はこれまで3年半、女子代表の監督を務めてきました。本来であれば2020年にAFC選手権がありましたが、ここまで延期が続いています。女子代表で関わった選手と共にタイトルを獲るという気持ちでいましたので、その機会を共に迎えることができないのは残念な気持ちもありますが、須賀監督が必ずやアジアのタイトルを獲ってくれると信じています。女子代表で関わったすべての選手やリーグの関係者、指導者にも改めて感謝の気持ちをお伝えしたいです。
フットサル日本代表に関しては、私自身選手として、20年以上前の2000年に初めて代表チームに参加しました。ここまで選手としても、コーチングスタッフとしても、6人の監督とともに代表選手の振る舞いや誇りを学びながら歩んできました。関わってきた監督やスタッフ、関係者だけでなく、そこには多くのチームメイトと切磋琢磨し、フットサルやフットサル日本代表の価値を上げながら、大きな目標を達成するためにトレーニングを積んできました。ここまで共にフットサルを大きくしてきたすべての方たちの想いを受け取って、代表監督として強いだけではなく、他のスポーツからも尊敬されるようなチームを作り、フットサルというまだまだメジャーとは言えないスポーツの価値を上げていくために、全力を尽くします。
須賀雄大 フットサル日本女子代表監督
まず、このような重要な責務を任命していただいたことに感謝します。そして一緒に、自分を指導者として育ててくれた、戦ってきてくれた選手たち、コーチングスタッフ、対戦相手、その関係者の皆様にこの場で感謝したいと思います。
女子の監督をした経験がない中で、女子フットサルをここまで成長させてきたたくさんの方にリスペクトを持ってこの仕事にあたっていきたいというのが最初このお話をいただいたときの率直な思いでした。そのリスペクトは口だけではなくて、自分が行動していくことで示していくことができると思うので、これからそれを示していけるように、たくさんの方と意見交換をしてみんなで女子日本代表を作っていきたいと思います。
強化の面ではAFC女子フットサルアジアカップの優勝がまずひとつ大きな目標になると思います。当然そのためには女子フットサルリーグの強化もとても重要なポイントになると思います。そういったところに15年間監督をしてきた経験を活かしたいと思います。強化だけではなく、普及、育成、指導者の育成という面でも自分が力になれることがたくさんあると感じています。自分に与えられた任務を全力で全うしたいというモチベーションに溢れた気持ちでいます。これからいろいろな活動でそれを示していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
小西鉄平フットサルテクニカルダイレクター
先日のワールドカップを通じて、現在日本のフットサルがどういう立ち位置かをまず話したいと思います。長年フットサルの日本代表を支えてくれた選手、コーチングスタッフ、リーグの発展とともに、フットサルは技術的にも進歩し、戦術的にも非常に進歩したと感じています。限界がないので、技術の進歩はこれからも続けなければなりませんが、戦術的な成果は出ていると思っています。世界のフットサルは、いかなる局面でも力を発揮していくメンタルの強さも含めて、日本のフットサルが世界に追いつくためにまだまだ必要な要素だと考えています。そういったものを解決していくために木暮監督、須賀監督がいると思っています。男子については、フットサルワールドカップでベスト8以上、優勝するという目標を掲げています。リーグとともに手を取り合って進めていく、また、今までの監督たちが残してくれた財産をさらにステップアップしていくために、木暮監督に引き継いでいただいて、更に強い代表を作ってもらいたいと思います、女子についてもアジアの中ではトップレベルですが、さらにその上を目指すためにも、どのような局面においてもしっかりとした戦術的なプレーをできるようにする。そのあたりが女子にとっても課題なので、そういうところを須賀監督には期待しています。また、須賀監督には女子フットサル全体の環境の見直し・分析をしていただいて、より良くしていただくことで一緒に進んでいきたいと考えています。男子のトップカテゴリーとU-20、そして女子のそれぞれの代表チームがしっかりと横のつながりを持ってやっていくためにも、男子の代表に須賀監督にコーチとして入ってもらい、一つのファミリーとして進んでいくことが重要です。全体の体制としても、北澤委員長の下に代表チーム・育成・指導者養成・普及の4つの部門においてもダイレクターを置くという新体制を進めていきます。これら4つの部門がダイレクターを通して管理され、正しく運用されることが代表チームの発展にも必ず寄与していくと思っています。