JFAアカデミーでは「常にどんな時でも(日本でも海外でも)ポジティブな態度で何事にも臨み、自信に満ち溢れた立ち居振る舞いのできる人間の育成」というフィロソフィーを掲げ、真のエリートを目指して日々活動しています。
JFAアカデミースタッフ通信では選手たちの日常の様子や、日々の活動を詳しくお伝えしています。今回JFAアカデミー福島のレポートを担当するのは総務の堤葉子さんです。
感染症の影響
今回のスタッフ通信を担当するJFAアカデミー福島男女総務の堤葉子です。
JFAアカデミー福島では、ロジング形式(寄宿制)を採用しています。所属選手は長期休暇以外は寮で生活し、寮から公立学校に通学しています。
居室は、2~4名で構成され、食堂や浴室、学習室やリラックスルームなどの共有スペースもあります。選手は共有スペースに掲示される決められたスケジュールに沿って日々生活しています。学校やサッカーのトレーニングはもちろんですが、食事や入浴、学習なども集団で行動しています。
集団での行動は感染症を拡大させる可能性があります。今までもインフルエンザウイルスやノロウイルスなどに罹患した場合は即座に隔離対応をし、生活範囲を狭めるなどの最小限に食い止める対策をしてきました。新型コロナウイルス感染症が世界中で蔓延し続けていることから、寮での取り組みも常に見直していかなければなりません。
取り組み・選手が考えていること
この先も寮での集団生活は続きます。寮での取り組みを選手の声とともにご紹介します。
「食事や入浴などのマスクのない時間帯では、カテゴリーごとに時間をずらし接触を減らしています。トイレや洗面所の使用場所も分けています。黙食、黙浴、部屋移動禁止としていますが、特に新しいルールとして部屋でもマスクをするというのは同じ部屋でも感染を防げる可能性があり、非常に効果的だと思います。そして感染拡大を防ぐのに一番大切なのは、選手一人一人の意識だと考えています。例えば、マスクをしっかりつけるとか、食事中には話さないとか、みんながしっかりとルールを守れば感染拡大を防ぐことができると思います。これからの寮生活では自分の行動に責任をもって生活し、感謝を忘れずにサッカーや勉強に励んでいきます」
「私が考えた対策は、対策を振り返る時間を全体で設けることです。対策案をたくさん出しても結局それを行動に移すのは各個人です。短い時間でもいいから最近の感染対策はどうなのか、しっかり守られているのか、自分たちの行動を振り返る時間はものすごく重要だと思います。このようにして感染対策に対するマンネリを防いでいけばいいと思います。この世の中は、「いつ」「誰が」「どこで」感染してもおかしくない状況だと思います。だからこそ自分自身が感染者なんだという意識をもって生活していく必要があります。」
寮生活・大家族
本来、寮生活では選手同士が多くの時間を共有し学年を越えるコミュニケーションが取れることが長所の一つでしょう。しかし今は人との距離を縮めることが難しい状況です。また、寮生活での楽しみである食事の時間も人の背中を見ながらの「黙食」という何とも寂しいものになっています。
国内では家庭内感染が広がっているとのこと、寮での生活は大きな家族とも言えますが、大家族では感染を爆発的に拡大させてしまうかもしれず、団欒を取り戻すにはまだ時間がかかりそうです。
寮生活は楽しいことばかりではないかもしれません。それでも笑い声が絶えない食事の光景はすでに懐かしさを覚えますが、またその日が戻ることを信じて、今できることを続けていきます。