日本初の女子プロサッカーリーグ「2021-22 Yogibo WEリーグ」が9月12日(日)に開幕し、各地で5試合が行われました。
各試合のキックオフ前には、WEリーグ岡島喜久子チェアが「日本の女子スポーツの新しいページが本日開きます。ウーマンエンパワーメントという名前で、日本のジェンダー平等を前に進める覚悟のリーグです。世界一の女子サッカーと世界一の女性コミュニティの実現に向けて、そして多様な生き方と夢が生まれる社会を目指して、みんなが主人公になるためにWEリーグがステージとなります。2021年9月12日、WEリーグの開幕を宣言します」と、VTRなどで開幕宣言をしました。
最も早い10時キックオフのINAC神戸レオネッサvs大宮アルディージャVENTUSは、I神戸の髙瀬愛実選手が4分に得点を決め、WEリーグ第1号ゴールが生まれました。I神戸はその後も得点を重ね、新チームでWEリーグに参入した大宮Vを5-0で下しました。
なでしこリーグで最多17回の優勝記録を持つ日テレ・東京ヴェルディベレーザと、昨季のなでしこリーグで優勝した三菱重工浦和レッズレディースの一戦は、菅澤優衣香選手と塩越柚歩選手のゴールで、浦和が1-2の逆転勝利を収めました。
ちふれASエルフェン埼玉vsサンフレッチェ広島レジーナは、0-3で勝利した広島Rが公式戦初白星。アルビレックス新潟レディースvsAC長野パルセイロ・レディースの信越ダービーは、AC長野が1-3で勝利し、マイナビ仙台レディースvsノジマステラ神奈川相模原は、両者譲らずスコアレスドローとなりました。
開幕節に試合がないジェフユナイテッド市原・千葉レディースは、WEリーグの理念に沿った活動を行う、WE ACTION DAYの初日を迎え、「一人一人が輝く社会とは」をテーマに、林香奈絵選手と大滝麻未選手が千葉市副市長の川口真友美氏などと、オンラインでパネルディスカッションを行いました。
WEリーグ第2節は、9月18日(土)と20日(月・祝)に行われます。
監督・選手コメント
星川敬監督(INAC神戸レオネッサ)
こういう状況下でお客さまに来てもらえたことに感謝し、いいゲームができたことを喜んでいます。コロナ禍での4千人は、FIFA女子ワールドカップで優勝した2011年の2万人と同じくらいだと思います。今後は男子と比べられる部分もあるので、スピード感、丁寧なパス、ひたむきにがんばる姿を届けて「男子チームも、I神戸も応援する!」となってほしいと思います。
髙瀬愛実選手(INAC神戸レオネッサ)
守備の構築が中心だったプレシーズンマッチの後、開幕まで攻撃を練習する時間がありました。練習試合でも点が取れない中で、迷いなくやることが大事だと思い、監督にもそう言ってもらいました。それが今日の(チーム)5得点につながったのかなと思います。(WEリーグ初得点は)決まった瞬間、うれしすぎて、頭が真っ白になりました。
鮫島彩選手(大宮アルディージャVENTUS)
こうやって多くの方々の協力で、開幕戦を迎えられたことに感謝します。I神戸と最初のカードになったので、もう少し盛り上がる試合ができたらよかったのかなと思います。もう少し身体を張るとか、細かいところから見直さなければいけないかなと思いました。ただ、まだ始まったばかりですし、ネガティブになる必要はないと思います。
竹本一彦監督(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)
この試合の重要さを考え、やはり皆さんの印象に残るゲームをやろうと試合に入りました。選手は自分たちのパフォーマンスを出してくれたと思いますが、浦和の中盤でのプレスがきつく、簡単なパス回しができませんでした。今日の課題や収穫を振り返り、(課題は)次節以降でしっかり改善して進めていきたいと思います。
清水梨紗選手(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)
試合への入りは悪くなかったんですが、後半早々に失点して相手が勢いづき、その流れで2失点目を許したのが反省点だと思います。いろいろなシチュエーションを想定していたのですが、まず1点リードを追いつかれてしまったのが誤算だったと思います。もちろん今日の反省はして、引きずらずに次の試合に向けて心も体もいい準備をしていきたいです。
塩越柚歩選手(三菱重工浦和レッズレディース)
お客さんがたくさん来てくれて、素晴らしい相手との試合で勝てて本当に良かったです。(ゴールは)いいところにボールがこぼれてきたので、思い切って足を振るだけでした。開幕戦でまずは勝ち切れて、チームをいい流れに持っていけたと思います。次の浦和駒場スタジアムでのホーム開幕戦もしっかり勝ち、このいい流れを続けられたらと思います。
松田岳夫監督(マイナビ仙台レディース)
ボールは握れたけれど、ゴールが遠かったです。相手ボックス前の守備を崩せず、ボールが外回りになり真ん中に侵入できなかった。そのあたりが最終的にゴールまで行けなかった要因です。この試合を通し、優勝するということがどれだけ難しいか、選手たちも改めて感じ取ってくれたと思います。こういう試合をいかに勝ちにつなげるか、選手と共有してリーグを戦っていきたいです。
長野風花選手(マイナビ仙台レディース)
プロリーグが始まるということで、私たちがしっかりプレーして女子サッカーの価値を高めるということに集中し、自覚を持ってやってきました。自分たちがボールを持つ時間が長い中で相手はしっかりブロックをつくり、引いて守ってきました。攻撃のアイデアや強引さ、ゴールへの迫力が足りず、優勝を目指すチームと言うにはかなり物足りなさを感じたゲームでした。
松原有沙選手(ノジマステラ神奈川相模原)
開幕戦で勝点3が欲しかったですが、難しい試合の中で勝点1を取ることができたことはプラスに捉えたいです。押し込まれることは想定していました。選手同士の距離感やラインの高さ、一番怖い部分を誰が埋めるかというところをピッチ内で意識して声掛けしていました。しかし、攻撃につなげる部分では課題が残っていると思うので改善していきたいです。