C級コーチ養成講習会女性コースが7月12日(月)から19日(月)までの8日間、福島県のJヴィレッジで開催されました。
今回のコースには、すでにクラブや部活動等で指導に携わっている人、これから指導の道に入っていこうと考えている大学生、フットサルの指導者を目指している人など、さまざまなバックグラウンドをもつ10名の受講者が集いました。分析、プランニング、コーチングを学び、トレーニングのオーガナイズの仕方を理解して、指導実践を行うことを繰り返し、指導の基礎を学びました。グループワークや指導実践では、立場の違う者同士が互いの意見を交換しながら、学び、励まし合って、8日間のプログラムを修了しました。
○期間:2021年7月12日(月)~19日(月)
○会場:福島県・Jヴィレッジ
○インストラクター:清瀬一剛、利光ちはる、見汐翔太(以上、JFAコーチ)
7月12日(月)
講義:ガイダンス
実技:ゲーム+振り返り
講義:分析①
実技:技術①+振り返り
7月13日(火)
講義:分析②
実技:技術②+振り返り
講義:戦術①
実技:戦術①+振り返り
講義:発育発達と一貫指導
講義:チームマネジメント
7月14日(水)
講義:戦術②
実技:戦術②+振り返り
講義:GK
実技:GK+振り返り
講義:メディカル
講義:サッカーの競技精神
7月15日(木)
講義:プランニング
実技:プランニング+振り返り
講義:指導実践ガイダンス
グループワーク
講義:コーチング
実技:コーチング+振り返り
グループワーク
7月16日(金)
実技:指導実践
講義:指導実践振り返り
グループワーク
7月17日(土)
実技:指導実践
講義:指導実践振り返り
グループワーク
7月18日(日)
実技:指導実践
講義:指導実践振り返り
7月19日(月)
試験:筆記試験
講義:閉講ガイダンス
インストラクターコメント
清瀬一剛インストラクター(JFA)
全国で公認C級養成講習会が開催されている中、このJFA C級養成講習会女性コースは、女性指導者の拡充及びレベルアップを目的として、福島県J-ヴィレッジにて8日間の日程で開催しました。今回集まった受講者は、フットサル指導者や現役大学生そして、トップレベルで活躍した経験を持つ受講者まで幅が広く、それぞれの想いを持って参加されました。
初日、緊張した様子で研修室に集まった受講者は、感染予防もあり静かに用件だけを口にし、名前がある座席に座り教本や資料を前にスタートを待っていました。ガイダンスが始まり、JFA指導者養成の全体像やJFAの取り組み、学習目標などが次第に見えてくることで、期待や不安が受講者の表情に現れてきました。実技やグループワークが始まって話し出すと緊張もほぐれ、質問や行動が活発になりました。カリキュラムが進むにつれて指導者の仕事を学び、コーチに必要な知識や理論を吸収し実技とリンクしながら内容を整理しているようでした。実技になるとサッカー経験の違いはあっても積極的でミスを恐れないプレーとそれを支える仲間になっていました。また、指導実践に向けて準備をする上で、分析・プランニングの観点からグループで積極的な意見交換が常になされていました。特に今回は、レベルアップも目的にしていることから指導実践の回数も増やし、ふたば未来学園高校女子サッカー部、磐城桜が丘高校女子サッカー部の選手に選手役をお願いし、指導実践を行いました。受講者は、指導実践を行うごとにその責任から、グループで集まり、それぞれの振り返りをもとにディスカッションし、オーガナイズやコーチングを改善しようとする姿が次第に多くなり、見違えるようにスキルアップしたと感じています。
今回集まった仲間には、今後、各所属先での活躍と自身のライセンスアップを期待することと同時に、疑問や不安が生じたときに「立ち返る大切な仲間」として、ともに成長していただきたいと願います。コロナ下によりさまざまな制限があったり、受講できなかった方も複数いた中での開催となりましたが、選手役を引き受けてくれた高校生、Jヴィレッジの施設の方々、受講者所属の関係方々のご理解とご協力のもと開催できたことに深く感謝申し上げます。
受講生コメント
嶋田千秋さん(東京ヴェルディジュニア)
初めに、新型コロナウイルスが流行する中、ライセンス講習会を開講するためにご尽力頂いた方々に感謝申し上げます。
そんな中ではありますが、十数年ぶりのJヴィレッジへの訪問に心が弾み、日常を離れ久々の新しい出会いに胸がドキドキしていました。今年から指導者としてサッカーに携わることになりましたが、知識も経験もゼロの中で、間違いも正解もない指導と自分なりに向き合ってきました。ですので、今回のC級講習会で指導者の基礎を学び、考え方を整理できるようになりたいと思い受講しました。特に、トレーニング構成の考え方(GAMEから逆算とテーマを絞る)は、練習内容を考えていく中でとても参考になる講義でした。テーマを絞り逆算して考えることでトレーニングポイントが整理され、指導実践でも分析やコーチングがやりやすかったです。コーチング力や発問の仕方含め全てが経験を積むことだと思うので、チャレンジし続けたいです。
この講習会を通して本当に多くの学びがありましたが、何よりも心から感じたことがあります。それは、サッカーが好きだということ。ボールひとつあれば、初めて出会った人ともすぐに仲間になれる、笑顔になれる、様々な瞬間を共有できる素晴らしいスポーツだということです。この講習会で出会えたインストラクター、受講生、サポート選手役をつとめてくれたふたば未来学園高校や磐城桜が丘高校サッカー部の皆さんのおかげで、改めてそう思えることができました。
サッカー、スポーツは、「心を動かし、繋ぐもの」だと考えます。このような状況だからこそ、サッカー、スポーツの力を信じ、サッカー、スポーツを通して世界をより豊かに、幸せにしていきたいと強く思いました。講習会に参加しなければ出会うことがなかった縁に感謝をし、これからもサッカーを愛したいと思います。
高木晴南さん(神奈川大学女子サッカー部)
初めに、コロナ禍で大変な中、コースを開講していただいたこと、感謝いたします。Jヴィレッジという素晴らしい環境の中、充実した8日間を過ごすことができました。私は、指導の経験はほとんどなく、現役でサッカーを続けていますが、このコースを受講することでたくさんのことを学び、競技生活においても生かせる部分が多いのではないかと思い、受講しました。指導者にはどんな役割があり、何が求められているのかを一から学び、実際に高校生に指導することで、難しさに悩まされましたが、思うようにいかない楽しさも感じました。そして、サッカーをする上でも、指導する上でも一番大切なサッカーを楽しむこと、サッカーの素晴らしさを再確認することができました。ボール一つあれば、みんな笑顔になり、自然と輪ができていました。現役である今、サッカーを楽しむこと、リスペクトすることを忘れずにプレーをし、今後、指導者として指導することがあれば、サッカーを楽しみ、成長し続けられる選手を育てていけるようになりたいと思います。