7月14日(水)に開催された「MS&ADカップ2021」を記念し、レガシープログラムとして京都府中学生女子サッカー交流会を開催し、天然芝のグラウンドで24選手が試合を行いました。事前の雨で少しスリッピーなピッチでしたが、選手たちは普段の土のグラウンドとは違う感覚を満喫し、随所に光るプレーが見られました。サポートスタッフとして、京都紫光クラブの女子選手が6名参加し、一緒にプレーしコーチングすることでいいお手本を示してくれました。
運営者コメント
昨年の皇后杯決勝の前座イベントを機にはじまった、京都府全体での中学生女子の交流会を、今年度からは、3種委員会と女子委員会の協力を得て、京都府サッカー協会の事業として、年間で継続して実施していくことになりました。地区によっては10年近く、中体連の先生方が女子選手を集めて年間数回実施していた活動を、京都FAのサポートを受けながら、京都府全体で継続的に実施できることは大きな進歩です。今後は、活動を継続していくために、スポンサーなどの支援していただける方も募集する予定です。
この活動を通じて、普段は男子中学生の中で練習を続ける女子選手に、中学校やその先でもサッカーを続けられる環境やモチベーションを提供できればと考えています。また、大人(1種)、高校生(2種)、中学生(3種)、小学生(4種)の女子選手に、指導者と関わる中で今後のサッカーキャリアをどう築いていくかというビジョンを提供できればと考えています。さらに、この活動で女子指導者や審判の育成などを行い、女性がさらに輝けるサッカー界を、またこの活動を通して育った人材が社会においても活躍できる存在となることを目指します。
コメント
樹山和浩さん(京都FA女子委員長兼普及コーディネーター)
昨年度より、中体連所属女子サッカー選手同士の交流とゲーム機会の創出を目的に、三種委員会と女子委員会がカテゴリーにとらわれずに継続的な活動として指導、運営に取り組んできました。今年度においても、新型コロナ感染拡大における緊急事態宣言、まん延防止対策期間などの制限の中ではありましたが、女子選手がこの活動を楽しみにしていること、三種委員会で指導されている先生方の情熱、女子委員会での課題でもある高校生年代へのスムーズな移行を狙いとして、レガシープログラムが開催できたことを嬉しく思います。
課題としては、中体連女子選手の普及のためにも、少女キッズ、四種委員会からの普及が必要であり、そのためにも女性役員、指導者のなり手の育成と女性が関われるような環境づくりが早急に必要であると感じました。京都で育った女子選手が生涯スポーツとして長くサッカーに関わり、役員、指導者、審判の育成に携われることで充実した輝ける人生になれるよう今後も取り組んでいきたいです。
北村嘉之さん(京都FA FAコーチ(技術専任者))
京都紫光クラブレディース所属の選手に、コーチ役補助またプレーヤーとして参加していただきました。紫光クラブの選手とともにウォーミングアップを兼ねたトレーニングを行い試合に入りました。試合でも女子スタッフがともにプレーし、中学生も女子スタッフのコーチングを受けながらゲームに取り組めていました。ゲームになると、待ちの姿勢になることが多く、普段男子の中でプレーしていると中心となりプレーすることが少ないのか、サイドでのプレーや、組み立てられたパスの受け手になることが多く見られました。そんな中でも、女子だけで試合をすることでボールに触れる機会が増えたり、男子とのスピード感等の違いもあり、プレーしやすい環境にあったと思われます。選手たちには、普段もよりもボールに触れる機会を多くもてるように促し、男子の中でも中心になってプレーできるように積み重ねてほしいと伝えました。また、今回紫光クラブレディースのメンバーに携わっていただき、将来指導者の道へ関わっていただきたいと伝えました。このような機会を通して、女子の育成・普及を広めていき、それが種別を越えた取り組みになるようにし、女子の活動が活発化していくことを望みます。
川田悠斗先生(長岡京市立長岡第二中学校)
今回の活動では、中体連所属の中学1年生から3年生までの女子選手21名が参加してくれました。気温30度の猛暑日となりましたが、どの練習もとても楽しそうにプレーしている姿が印象的でした。最後のゲームではチーム一丸となってゴールを奪いに行き、得点が入ればチームみんなで喜びを分かち合うことができました。このような素晴らしい機会を与えてくださった関係者の皆様、選手のサポートをしていただいた中体連の先生方、また最後まで熱い視線を送ってくださった保護者の皆様、大変ありがとうございました。
道場達朗先生(亀岡市立詳徳中学校)
最初の段階ではコミュニケーションを取る選手が少なかったのですが、一緒にプレーする中で徐々に声が増えていったのが良かったです。個々の選手においては、まだまだ遠慮しているところもあるので、今後スタッフとして関わる中で、選手の持ち味をもっともっと引き出していきたいと思います。
生本あゆみさん(京都紫光サッカークラブ)
この度はレガシープログラムに参加させていただき、ありがとうございました。私自身、中体連所属の女子選手がメインとなるイベントへの参加は今回が3度目になります。その中で毎回感じるのは、選手達がすごくオープンにフレンドリーに接してくれることです。普段から多くのスタッフや女子選手に関わる機会が少ないこともあるのか、一つ一つのアドバイスや声掛けに前向きに取り組んでくれる姿がとても印象的です。プレー面においても、積極的に自分の出来ることを発揮しようという気持ちが伝わってきます。今後、サッカーの原理原則、ボールを受ける前の動きなど…細かい部分を伝えてあげることが出来れば、より良い選手になりもっとサッカーを楽しんで続けていけるのではないかと感じました。今後このような機会が継続して行われ、中体連所属の選手達と一緒にサッカーを楽しめる場を作り上げていけたら嬉しいなと感じました。
参加者コメント
久保亜葵さん(南丹市立園部中学校)
部活で男子に混じってサッカーするよりも、女子とする方が思いきったプレーや、みんなで話し合って試合が出来るのでいつもとは少し違ったサッカーができてとても良い経験になりました。他にも、他の学校の顧問の先生方からのアドバイスを受けて、自分の課題を発見することができたので、これらを自分の部活動でも活かしていけるように頑張りたいです。
久保田美優さん(南丹市立園部中学校)
普段、女子だけでサッカーをすることがあまりない中、このような女子だけの交流会などがあることによって、男子と一緒にやる時とは違う楽しさがあったり、他の中学校の女子と仲良く出来たり、たくさんお話ができてすごく楽しくサッカーすることが出来ました。
今西心寧さん(亀岡市立詳徳中学校)
新年度初の合同練習会で一緒にプレーしたことのない選手もいて、新たな出会いがありよかったです。でも、全体的にコミュニケーションが少なかったので、次回はもっとコミュニケーションをとってチームワークをよくしたいです。
3対2をしたときに、縦パスの重要さがわかり、ゴールを狙う一番の近道だと思いました。なので、試合でもスペースにパスを出すことを意識したいです。また、ゲームでチームが負けた敗因は、味方を簡単に使えていなかったこと、逆サイドへの展開が少なかったことだと思います。そして自分が後ろから声を出していればチームがもっとやりやすかったと思います。この練習会で成果や課題がたくさん見つかったので、よかったことはこれからも続けられるように、課題はしっかりと改善して自分のものになるようにしたいです。