なでしこジャパンは26日(土)、これまで通り午前中にトレーニングを行い、午後は各自が体のケアに取り組む時間とし、夜にミーティングを行いました。
トレーニング前には前日の男子高校生との合同トレーニング、その中で行ったゲームを振り返り、できたこと、できなかったことを今一度整理しました。その上で臨んだこの日のトレーニングは、「いかに自分たちのタイミングで、いかに楽に受けられるか」と岩渕真奈選手がインタビューで話したように、スピードやパワーで勝る相手に対して試合の主導権を握るために必要となる動き出しやポジショニングについて取り組みました。7対7のトレーニングにおいても、ボールをこまめに動かしながら、2人目、3人目、そして4人目が、味方の動きやそれに対応する相手の動きに瞬時に応じる形で次々と動きを繰り出すことで前線に運ぶルートを見出します。
連日の強い日差しに、スタッフの顔のマスク焼けが日に日に鮮やかになっています。東京オリンピックはまさに真夏の猛暑の中行われるため、暑熱対策は欠かせません。この日の夜は、広瀬統一フィジカルコーチから諸熱対策について説明がありました。身体が熱を溜め込むことのメカニズムやその影響について理解し、それを解決するための対処法についても理論的に理解することで、選手個々に異なるコンディションや体の特徴に対応することを学びます。大事なのは水分摂取と食事、そして自分に合ったセルフコンディショニング方法を見つけることと説明があり、順化に要する期間や具体的な方法論について細かく解説がされました。選手たちは、東京オリンピックで高いパフォーマンスを発揮するためには、それを支える自分の身体と向き合うことの重要性を改めて認識し、「一日の終わり方が次の日の始まり方」(広瀬フィジカルコーチ)を実践するために、翌日のいいスタートに向けて部屋に戻っていきました。
選手コメント
MF #6 杉田妃和選手(INAC神戸レオネッサ)
前日の男子高校生との合同トレーニングは、今年戦った国際試合を含めても、ここ最近で一番プレッシャーのある相手でした。そうしたチームを相手にできる機会はなかったので、チームとして改善すべきポイントも結構出てきて、東京オリンピックを前にすごくいい相手でした。スピードやパワー、瞬発力では勝てる回数が少ないので、ボールの置きどころは意識していました。サイドハーフや前線に近いポジションの方がゴールに関われたり、ゴール近くでプレーできる回数が多く、そこでの怖さは自分の武器だと思っています。サイドの突破やクロスといった得点に直接的に絡むプレーはボランチでは数多くできることではないので、その点は楽しんでプレーしています。色々なポジションでプレーすることで、自分のプレーの幅が広がったと思います。
FW #10 岩渕真奈選手(アーセナル/イングランド)
この日から全体練習に本格合流しましたが、活動が始まって別メニューで調整してきたこともあり、元気です。今日はボールを受ける前の予備動作の部分、いかに自分たちのタイミングでいかに楽に受けられるかということを目的にしたトレーニングを行いました。前日の男子高校生のようにスピードや強度がある相手に、優位にパスを回す練習です。7月14日には欧米に近いオーストラリアとの対戦が決まり、最後のテストマッチになるので、自分たちが持っているものを全てぶつけないといけません。そうした試合をすることで、個人としてもチームとしても新しい発見があると思っています。このレベルの相手とは初対戦の選手もいます。そうした選手をチームとして助け合いながら、東京オリンピックに向かうにあたり充実した試合にしたいです。オーストラリアは速い選手が多く、試合も縦に速いイメージです。自分は攻撃の選手ですが、攻撃した後の守備への切り替えを意識して、やはり個人としてはゴールを目指してプレーしたいです。日本らしく戦えば十分にチャンスがある相手だと思っているので、自信をつけられるような試合にしたいと思います。
第32回オリンピック競技大会(2020/東京)
サッカー競技日程:2021年7月21日(水)~2021年8月7日(土)
なでしこジャパン(日本女子代表)対 オーストラリア女子代表
開催日:2021年7月14日(水)
会場:京都/サンガスタジアム by KYOCERA