なでしこジャパン(日本女子代表)の高倉麻子監督は6月1日(火)、10日(木)の国際親善試合・ウクライナ女子代表戦(広島/エディオンスタジアム広島)と、13日(日)のMS&ADカップ2021・メキシコ女子代表戦(栃木/カンセキスタジアムとちぎ)に向けて、オンラインでのメンバー発表会見に臨みました。
高倉監督は会見の冒頭で、東京オリンピックの初戦となる7月21日(水)のグループステージ初戦となるカナダ女子代表戦(北海道/札幌ドーム)を指し、「私の中の日めくりカレンダーも初戦まであと50日。新たな気持ちで今日のメンバー発表となった」と笑顔で話し、東京オリンピックへの強化や選手選考は、いよいよ最終段階に入っています。
今回のメンバー23名は、5月中旬のトレーニングキャンプ(Jヴィレッジ)に参加した清水梨紗選手(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)、中島依美選手(INAC神戸レオネッサ)、菅澤優衣香選手(三菱重工浦和レッズレディース)などが選ばれており、WEリーグのプレシーズンマッチでも試合出場を続けている選手たちです。
精力的にプレマッチを視察した高倉監督は、「やはりオリンピックを目指しているということもあり、代表候補の選手はコンディションが非常に上がってきている」と、各選手の調整具合に好感触を得ている様子で話しました。
海外でプレーする選手の中からは、熊谷紗希選手(FCバイエルン・ミュンヘン/ドイツ)、⾧谷川唯選手(ACミラン/イタリア)、岩渕真奈選手(アーセナル/イングランド)など7名が選出されました。高倉監督は経験ある選手の活躍に期待する一方で、「約束された席というのはない。今回選ばれていない選手も、選手同士の力の差は大きくなく、最終的にチームに必要な特長を持った選手であれば(オリンピックメンバーへの)抜擢もある」と、すべての選手たちに成長し続けることを求めました。また、4月の国際親善試合で代表デビューを果たしたばかりの北村菜々美選手や木下桃香選手(ともに日テレ・東京ヴェルディベレーザ)も、今回のメンバーに選出されており、新戦力の台頭もチームの成長を加速させています。
今回の2試合はオリンピックへの重要な強化の場となり、ウクライナはFIFAランキング31位、メキシコは同28位です。
高倉監督は「ウクライナは近年、ヨーロッパで非常に力をつけてきたチーム。特にフィジカルを生かした守備の強さは特長だと感じる。メキシコも守備は非常にオーガナイズされ、中南米らしく小回りの利いた技術が特長。各年代別代表は世界大会常連で、長期的に女子サッカーで結果を出しており、力が整ったチーム」と、対戦相手の印象を話しました。
高倉監督は「(オリンピックで)一番輝くチームになるため、どの選手が力を発揮するか私自身も楽しみにしている。攻守ともにさらに磨きをかけたなでしこジャパンを皆さんにご覧いただきたい」と選手たちに期待をかけながら、オリンピックに向けて歩みを進めるなでしこジャパンにエールを呼びかけました。
国際親善試合・ウクライナ女子代表戦(広島/エディオンスタジアム広島)は、6月10日(木)15:15キックオフ(予定)、MS&ADカップ2021・メキシコ女子代表戦(栃木/カンセキスタジアムとちぎ)は、同13日(日)14:00キックオフ(予定)です。
監督コメント
高倉麻子監督
4月に引き続き2回の国際試合が行われることを嬉しく思います。新型コロナウイルス感染症の拡大防止策を万全とした上、東京オリンピックに向かう強化の時間をいただけることは本当に幸せなことです。今回の活動期間は国際女子Aマッチデーに当たり、海外組の7名を呼んでいます。しかし今回の23名の中からオリンピックに登録するメンバー18名を選ぶとは言い切れません。大きなグループの中から、最終的には合宿でのパフォーマンス、世界と戦っていくチームを作る中で、どの選手がフィットするかを注意深く観察しながら、登録メンバーは決定したいと思います。短期決戦でトップパフォーマンスを出せることや、大会中に何があっても歩みを止めず走り抜けられること、強い気持ちをなでしこジャパンに還元できることが、最後には重要になってくると思います。