1月16日(土)、17日(日)にJヴィレッジ(福島県)にて、ナショナルトレセン女子U-14[東北]を開催しました。
例年よりもレクチャーの時間が限られたり、他の地域の選手や指導者との交流はなくなりましたが、その分ピッチ上ではいつも以上に集中して取り組み、一生懸命トレーニングに取り組む姿が見られました。
厚い雲に覆われながらも雨や雪に見舞われることなく、少ない練習回数の中で攻撃、守備のそれぞれのテーマに沿ってトレーニングが行われました。この時期、東北ではフルピッチでゲームをすることは難しいですが、2日目の午後のゲームでは積極的なプレーを発揮していました。
ナショナルトレセンコーチ東北担当チーフコメント
山路嘉人チーフ
1日目は、「ゴールへ向かう(組み立て)」「ボールを奪う(連携連動)」、2日目は「ゴール前の攻防~クロスの攻撃~」のテーマで行いました。積雪の関係で日常のトレーニングを屋内で行っている選手もいたことから、最初は不慣れな天然芝のピッチに戸惑う場面も見られましたが、徐々に本来のプレーを表現するようになってきました。
2日目の最後のゲームでは、トレーニングで積み上げた技術・戦術を表現し、選手個々の高いポテンシャルを感じ取ることが出来ました。今回参加した25名の選手の中から、近い将来世界で活躍する選手が選出されることを期待しています。
今回のナショナルトレセン東北開催にあたって、運営サポート及びコロナ感染防止対策にご協力頂きましたJヴィレッジの皆様、選手に対して安心・安全な環境を提供頂いた地域スタッフや派遣いただいたチームの皆様には心から感謝を申し上げます。
地域指導スタッフコメント
平栗詩乃さん(Bon Sagesse)
私は今回初めて地域スタッフとしてナショナルトレセンに参加させて頂きました。
今回のトレセン活動は、新型コロナウイルスの対策として、練習前後・移動前後・食事前後等の手指消毒や、使用した用具・会場の消毒、食事の際の会話禁止、部屋の移動禁止など、出来る限りの感染対策を講じた上での活動となりました。
上記のような背景もあり、活動期間の前半はコミュニケーション不足を感じる場面がピッチ上でも見受けられました。しかし後半になるにつれて、攻守にわたりコミュニケーションが取れてきたように感じていた為、通常のナショナルトレセンよりも日程を短縮しての開催だったことが、残念に思うところもあります。
ただ、短い期間ではありましたが、選手はそれぞれのテーマに積極的に取り組んでくれたため、たくさんのチャレンジや改善が見られたことは嬉しく思います。「意識」の部分は短期間でも改善出来ますが、技術の部分は日々の積み重ねが重要になってくることを私自身も改めて感じたので、今後の地域トレセンやFAトレセン等でも発信し、取り組んでいけるようにしたいです。
コロナ禍の中、また積雪のある地域が多い私たちにとって、この時期にすばらしい環境の中でサッカーが出来ることにも喜びを感じました。今回のナショナルトレセン開催にあたり、事前の準備やサポートをして頂いた各FAの皆様や、Jヴィレッジの皆様に感謝いたします。
選手コメント
山田野乃選手(リベロ津軽SCフィオーレ)
コロナ禍で開催することが難しいなか、多くの人の助けでサッカーをすることができ、とてもうれしかったです。1日目の午前のトレーニングでは攻撃をメインに行い、その中でもボールを持っていないときにどれだけ味方とつながっているかという点が自分には足りないと感じました。ボールを受ける動きでその後のプレーに変化が起こるのを実際に体で感じました。
午後のトレーニングでは味方と連携して守備をし、午前にトレーニングした攻撃につなげることを意識して取り組みました。
自分の守備の強度も高まり、自分は体が小さいので予測してボールを奪うことを常に頭に入れ、トレーニングをしました。
東北各地から集まった選手は体も強く、自分の守備はまだまだでした。
また個々の守備は予測が重要だと感じました。第一にインターセプトができるように予測して、相手より早くボールを触れることや相手との間合いについてトレーニングできました。とても良い経験になりました。今後のトレーニングやゲームに今回トレーニングしたことを生かして自分を成長させていきたいと思います。
工藤こうみ選手(リトルスターズ)
この2日間トレーニングをして感じたことは「自信」を持つことの大切さです。例年よりもトレーニング時間が少なくなったものの、より実戦的なトレーニングに絞られていたため、素早い判断など自信を持ったプレーを迫られる場面が多くありました。
1日目の午前のテーマは「攻撃」でGKはディストリビューションなどの練習をしました。1番印象に残っているのはオーバーアームスローの練習です。私はこれが苦手で試合ではボールをキャッチしてもほとんどキックパスを使っていました。しかし。今回コーチから「体を正面に向けたまま投げる」などいくつかアドバスいただき、それらを意識したことで今までより速く、遠くに投げられるようになり、自信がつきました。
またGKには欠かせないコーチングも声の小ささが課題でした。小学生のときから何度も指摘されてきて自覚もしていたのですが、「自信が声の大きさにつながるから」という言葉を聞き、今回学んだことを思い出してみたところ、それが自信になり、大きな声でコーチングができました。
ナショナルトレセンを通して、できるようになったプレーもありましたが、まだまだ改善が必要なプレーや新たな課題も見つかりました。チームに戻ってからも練習を積み重ねて、「課題」を「自信」に変えていきたいです。