3月5日(木)に開幕する2020 SheBelieves Cupに出場するためにアメリカに遠征中のなでしこジャパンはこの日、現地入りして2日目を迎えました。長旅の翌日ということで、午前と午後のトレーニングを行って移動や時差による疲労の解消に努めました。
奄美大島とほぼ同緯度に位置するフロリダ州オーランドは、この日は気温が27℃まで上がる暑さで、午前・午後ともに晴れ渡った青空の下でのトレーニングとなりました。練習会場となったセントラルフロリダ大学(UFC)は、学生数6万人を超えるアメリカ有数のマンモス校で、大学のキャンパスと呼ぶにはあまりに広大な敷地に各種の施設が立ち並び、大学そのものがひとつの街を構成しています。通りを一本入るとそこには大学の施設とは思えない規模のバスケットボールアリーナ、野球場、フットボールスタジアムが圧倒的な存在感を見せ、スポーツ大国・アメリカの凄さをうかがい知ることができます。常々「自分たちで盛り上げていこう」と話す高倉麻子監督の言葉通り、素晴らしい天気と環境に恵まれて選手たちのトレーニング熱も自然と高まります。試合に向けたコンディショニングという点でこの日のトレーニングが重要だということは選手たちも承知しており、積極的に声を出して意識的に体を動かしてトレーニングに臨んでいました。
3月3日(火)は猶本光選手の誕生日ということで、なでしこジャパン恒例の出し物とケーキでお祝い。猶本選手は「みんなでこの大会優勝しましょう」と話し、大会初戦を前にチームの結束は一層強いものとなりました。
なでしこジャパンは3月4日(水)に試合会場のExploria Stadiumで公式練習を行い、5日(木)16:23[日本時間翌6日(金)6:23]キックオフ予定のスペイン戦に臨みます。
選手コメント
DF #20 松原有沙選手(ノジマステラ神奈川相模原)
なでしこジャパンが活動する場に自分がいられることは嬉しいですし、東京オリンピックに選ばれる可能性があるということがモチベーションになっています。オリンピックのメンバーは18人ということで、人数が絞られて厳しい競争になりますが、その可能性の中にいることには責任も感じています。日本開催のオリンピックは、この先の人生でもう一度あるかもしれません。しかし、サッカー選手としての競技人生においては二度とありません。いかにしてメンバーに入れるかを考えて取り組んでいます。昨年の女子ワールドカップで悔しい思いをしたので、同じ思いはしたくないと思っています。自分が評価されている点は、ロングフィードや空中戦などで体をぶつけることができる、そういったフィジカル面は長所だと思っています。ただ、日本のスタイル的には足元のテクニックやアジリティも求められるので、そこは上げていかないといけないと思っています。
MF #12 猶本光選手(浦和レッズレディース)
自分がこのチームで求められている仕事として、まずは守備だと思っています。ボランチでプレーすることが多い中で、もちろん自分一人でボールを奪うこともそうですが、例えばセンターバックの選手と連携して協力して奪うときもあります。自分が直接関与しなくても、味方に取らせる、声で動かす。そうして中盤でボールを奪えたらチームとしてチャンスですが、やはり一番こだわりたいのはまず自分の目の前の相手に負けないこと、相手に勝つこと、それが最優先です。そうすることでチームの守備を作っていきたいです。代表チームでは一緒に過ごす時間が短く、いざ試合になっても練習通りにはいかなかったり、想定できないことも起こります。海外でプレーして、外国の選手を相手にしたときの間合いや速さ、そういったものを日常的に経験できたことは具体的な経験値になりました。いい守備ができないといい攻撃にはなりません。ドイツでは1対1についてすごく言われますし、守備で戦えない選手は試合に出られない文化があります。そこは学んだところです。今日誕生日を迎えてチームのみんながお祝いをしてくれました。毎年出し物のクオリティが高くて、みんなの気持ちが嬉しいです。今年1年、地道にがんばりたいと思います。
FW #11 植木理子選手(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)
今回はクラブでチームメイトの小林里歌子選手の不参加による追加招集ということで、正直なところ悔しいという気持ちもありますが、結果はどうであれチャンスが転がってきたことは確かです。今大会招集された23人の中で一番頑張らないといけないと思って取り組んでいます。試合に出るチャンスがあるか分かりませんが、前線でプレーする立場なので、ゴールを奪うことが最も目に見える結果です。もちろん一番いいのは自分がゴールを決めることですが、それだけでなく、チームのゴールに関わることもアピールになると思っていますし、一番の近道だと感じています。なでしこジャパンはオンとオフの切り替えがすごく大きくて、オフのときは皆ふざけたりもしますが、ピッチ上ではガラっと変わります。ピッチ外では上も下も関係なくコミュニケーションが取れていますし、それがピッチ内でも何でも言い合えるコミュニケーションにつながっていると思います。
スケジュール
3月2日(月) | PM | トレーニング ※非公開 |
---|---|---|
3月3日(火) | AM/PM | トレーニング ※非公開 |
3月4日(水) | TBC | 公式練習(Exploria Stadium) |
2020 SheBelieves Cup | ||
3月5日(木) | 16:23 | 第1戦 vs.スペイン女子代表(Exploria Stadium) |
3月6日(金) | AM | トレーニング ※非公開 |
3月7日(土) | TBC | 公式練習(Red Bull Arena) |
3月8日(日) | 14:23 | 第2戦 vs.イングランド女子代表(Red Bull Arena) |
3月9日(月) | AM | トレーニング ※非公開 |
3月10日(火) | TBC | 公式練習(Toyota Stadium) |
3月11日(水) | 19:08 | 第3戦 vs.アメリカ女子代表(Toyota Stadium) |
※時間はすべて現地時間です。
※スケジュールや会場は急遽変更になる場合がございます。
2020 SheBelieves Cup
大会期間:2020年3月5日(木)~2020年3月11日(水)
会場:アメリカ/Exploria Stadium、Red Bull Arena、Toyota Stadium
女子出場国:スペイン、イングランド、アメリカ、日本
テレビ放送:日本戦全3試合をNHK BS1にて中継