AFC U-16女子選手権タイ2019 決勝 U-16日本女子代表 vs. U-16朝鮮民主主義人民共和国女子代表
2019年9月28日(土) キックオフ時間 20:00(現地時間) 試合時間 90分(45分ハーフ)
Chonburi Stadium(タイ/チョンブリ)
U-16日本女子代表 2-1(前半2-1、後半0-0)U-16朝鮮民主主義人民共和国女子代表
得点
9分 失点(U-16朝鮮民主主義人民共和国女子代表)
19分 天野紗(U-16日本女子代表)
23分 林愛花(U-16日本女子代表)
スターティングメンバー
GK:野田にな
DF:丹野凜々香、井手ひなた、林愛花、小山史乃観
MF:箕輪千慧、大山愛笑、天野紗、猪瀬結子
FW:根府桃子、浜野まいか
サブメンバー
GK:服部茜汐香、大熊茜
DF:石川璃音、浅山茉緩、朝倉加奈子、平中響乃
MF:太田萌咲、荻久保優里、西郡茉優
FW:藤野あおば、西尾葉音、錦織美紀
交代
HT 浜野まいか→ 西尾葉音
71分 猪瀬結子→ 藤野あおば
89分 大山愛笑→ 平中響乃
マッチレポート
U-16日本女子代表は28日(土)、チョンブリスタジアムにてU-16朝鮮民主主義人民共和国女子代表と決勝を戦いました。
試合前のミーティングでは、準決勝までの活動をチームのコンセプトを基に振り返り、決勝の相手の攻守にわたるポイントが簡潔に伝えられました。そして決勝戦でも立ち上がりからアグレッシブに向かい、精神的に相手よりも優位に立つこととその中で試合状況に応じてプレーを判断しようという話が狩野監督から伝えられました。
両チーム共に、大会史上最多4回目の優勝を目指した決勝戦。日本にとって今大会初めてのナイター試合で、試合は現地時間20時(日本時間22時)にキックオフされました。
立ち上がり、日本は主導権を握るために積極的にプレーを選択していきます。しかし思わぬ形で失点してしまいます。前半9分、相手のゴールキックがディフェンスラインの頭上を越え、裏に抜け出した前線の選手をカバーしていたDF丹野凜々花選手がペナルティエリア内で相手を倒してしまい、PK。これを右隅に決められ、0-1と先制されます。その後も日本のディフェンスラインの裏にロングボールを蹴られ、相手にチャンスを作られるも、なんとか失点を防ぎます。そんな苦しい時間帯を耐えると日本にもチャンスが生まれます。前半19分、DF井出ひなた選手がディフェンスライン中央右サイドからボールを持ち運ぶと、前線から降りてきたFW浜野まいか選手が囮となり、更に相手陣地の奥深くで待っていたMF猪瀬結子選手に縦パスが入ります。このパスの落としに反応したMF天野紗選手が相手DFと入れ替わるとそのままGKと1対1となり、左隅に決め1-1と同点。徐々に選手たちのプレーに余裕が生まれ、落ち着いた判断をし始めると、この勢いのまま前半23分にもチャンスが。MF猪瀬選手が左サイドをドリブルで仕掛けると、相手陣地の深いところでファウルを受け、フリーキックを得ます。キッカーのMF大山愛笑選手はショートを選択。このボールをMF猪瀬選手がペナルティエリア外に落とすと、そこに待っていたDF林愛花選手のミドルシュートがゴール右隅に突き刺さり、逆転してスコアは2-1となります。
その後も相手はディフェンスラインの裏を狙ってきますが、上手くラインコントロールを行い、得点機会を作らせません。そのまま時間は流れ、前半を終えます。
後半は序盤から両チーム共にゴール前への攻防が続きます。後半31分に左サイドへ張り出したFW根府桃子選手が中央のMF天野選手へパスを送ると、右サイドで走りこんでいたMF箕輪千慧選手へ展開。そのままペナルティエリア内へ入り込み、シュートをするもこれはサイドネットへ。また後半31分には中央左、ゴールからやや遠いところからのフリーキックを得ます。このチャンスで、MF大山選手のシュートはキーパーに弾かれ、ポストを叩きました。いくつかのチャンスを作りますが、追加点を奪うことが出来ません。試合終了間際には、相手も人数をかけてゴール前まで迫りますが、日本の選手も体を張り、最後まで諦めずにゴールラインを割らせません。
アディショナルタイムは3分。時間を有効に使い、ゲームを進めると、最後は相手のクリアで主審が笛を鳴らしました。
この結果、U-16日本女子代表は2-1で見事にU-16朝鮮民主主義人民共和国女子代表に勝利しました。今大会で3大会振り、そして史上最多4度目の優勝を果たしました。今後は来年行われるFIFA U-17ワールドカップインド2020に向けて活動を行います。
監督・選手コメント
狩野倫久監督(SAGAWA SHIGA FC)
AFC大会の決勝戦、選手たちが掲げてきた優勝をかけた決勝の舞台に立てたことを嬉しく思いました。自分たちの力をすべて出し切るということを試合前に全員で約束しました。タフで激しい試合が予想されていましたが、プレッシャーが速いなか、いかに正確なテクニック、判断、状況に応じた関わり、連動する運動量を攻守ともに展開できるかが試合の勝敗を握る鍵でした。相手に先制されましたが、ビハインドになったときのメンタル的な準備もしていましたので、選手たちは冷静に試合を進め、追いついて逆転することができました。
AFCのグループステージ3試合、そして準決勝と1戦1戦それぞれでた課題を修正し、ストロングをいかすという点において、試合を追うごとに積み上げができていました。
2月のチーム立ち上げから4回のキャンプ、遠征を経て直前キャンプを行い、本大会に臨みました。どのキャンプでも選手たちは常に明るく、積極的な姿勢でとりくんでくれ、タイでも日を追うごとにチームが良くなってきました。ポジティブな取り組みもチームが発展できた大きな要因です。2月に選手たちが掲げた優勝という目標にむけた所属での日常の取り組みや、代表キャンプでの取り組みを合わせた成果がこの優勝という結果になったことを嬉しく思います。応援してくださった関係者の皆様、長期に渡って選手を派遣してくださった所属チームの関係者の皆様に改めて感謝いたします。
GK #1 野田にな選手(日テレ・メニーナ)
今日はチーム全員で戦って、自分たちがチームの立ち上げから目標にしてきたアジア優勝を必ず勝ち取ろうと思って試合に臨みました。相手に先制点を許してしまいましたが、全員が焦らずにすぐに気持ちを切り替えたことで、早い時間帯で逆転することができました。試合中には、相手のロングボールに対しての最終ラインの設定や攻撃時のリスクマネジメントの声をかけるように心がけていました。後半は攻められる場面が多かったですが、全員で声を掛け合って勝ち切ることができました。
この大会では、出場した試合を通じてゴールキックやパントキックでもっと攻撃に繋げられるシーンがあったと感じたので、チームで練習を積んでもっと攻撃に関わるプレーができるように練習していきたいです。
DF #4 林愛花選手(JFAアカデミー福島)
(得点シーンは)自分の前にボールがこぼれてきたので振り抜くだけでした。ボールをしっかり抑えることができてゴールに入り、すごく嬉しかったです。力強いシュートが得意なので、このゴールは得意な形でした。今日の相手の朝鮮民主主義人民共和国は迫力があって、個がうまい、ディフェンスの自分にとって良い経験になったし、レベルの高さを体感できました。
大会を振り返って、たくさんのポジションをやる中で、共通して言えるのは日本で通用するプレーがそう簡単には通用しないことや、アジアの厳しさを全体を通して味わうことができたことです。チームとしては、総力戦と最初は言っていましたが、まさにそのとおりで、チームが一体となって1試合1試合を勝ちきれてきたと思います。
来年のワールドカップ出場が決まったので、そのメンバーに入れるように帰ってから積み上げて、次は世界一という目標に向かって今回の優勝にとらわれすぎずにまた努力していきたいです。
MF #6 天野紗選手(INAC神戸レオンチーナ)
(得点シーンは)相手のセンターバックが猪瀬選手に寄せていったため、ゴール前にスペースが結構あいていたのでボールを受けられたらチャンスだと思って走りこんだタイミングで上手くボールが来たので、落ち着いて相手GKを見て、あいているところを狙って決めることができました。抜け出してフリーになったときは緊張はしましたが、冷静に決めることができてよかったです。
この試合では全体的に苦しい時間が長かったですが、みんなで前向きな声を掛け合って最後まで粘り強く守備できていたの、でリードを守り切ることができました。大会全体を振り返ると、初戦で出た課題にトレーニングで取り組み、次の試合で改善できていて、試合を重ねるごとに成果が増えてきて、コンビネーションなどのチーム力が上がってきたことが実感できました。
2月からこのチームで目標に掲げてきたアジア優勝を達成できたことは本当に嬉しかったです。来年はもっと個人的にもプレーの質や精度を上げていき、次はワールドカップ優勝に貢献できるように頑張りたいです。
FW #10 西尾葉音選手(浦和レッズレディースユース)
自分たちがチームの立ち上げ当初から立てた目標である優勝がかかった試合だったので、絶対に勝つという強い気持ちを持って、後半からピッチに立ちました。2対1で勝っていた状況でしたが、更に自分の得点でチームに貢献したいと思って臨みました。相手のプレッシャーも早く球際も強いので、シュートチャンスが作れず、思ったようにはなかなかプレーできませんでした。
大会MVPを受賞したことは正直、驚きでした。アジア優勝という目標をもってこれまでやってきて、試合を重ねるごとにチームがどんどん良い方に向いていって、チーム全体の雰囲気もとても良くなりました。FWとして得点があまり取れなかったことや、海外の相手のプレッシャーや球際に自分は負けているという課題を多く見つかり、良い経験になりました。
FW #14 浜野まいか選手(セレッソ大阪堺ガールズ)
今日の試合、1点目を取られたときは焦りましたが、ベンチの声やみんなの盛り上げ方などでそんなに落ち込まず、点を取りに行こうと思えました。実際、点が取られても負ける気はしなかったですし、試合前からいける気がしていました。追加点をFWとしてとりたかったですが、取ることができませんでした。
来年のワールドカップでは、チームが苦しいときに点をとってチームの勝利に貢献できるようになるために、それまでの時間を大切にして成長したいです。大切なときに得点できるように頑張りたい。中国戦の得点は今までで一番嬉しかったです。
大会を通じていろんな試合があって、とても1つ1つの試合で成長できました。ホテルではとてもご飯が美味しかったです。日本からのメッセージなどの応援が力になりました。このチームはチームワークがとても良く、このチームで世界一をとりたいなと思いました。今、立ち上げ当時から無敗なので、これからも勝ち続けたいです。
スケジュール
AFC U-16女子選手権タイ2019 | |||||||
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9月15日(日) | 0-0 | vs U-16オーストラリア女子代表 (IPE Chonburi Stadium) | |||||
9/16(月)~9/17(火) | AM/PM | トレーニング | |||||
9月18日(水) | 9-0 | vs U-16バングラデシュ女子代表 (IPE Chonburi Stadium) | |||||
9/19(木)~9/20(金) | AM/PM | トレーニング | |||||
9月21日(土) | 8-0 | vs U-16タイ女子代表 (Chonburi Stadium) | |||||
9/22(日)~9/24(火) | AM/PM | トレーニング | |||||
9月25日(水) | 2-0 | 準決勝 vs U-16中国女子代表 (IPE Chonburi Stadium) | |||||
9/26(木)~9/27(金) | AM/PM | トレーニング | |||||
9月28日(土) | 2-1 | 決勝 vs U-16朝鮮民主主義人民共和国女子代表 (Chonburi Stadium) |
※時間はすべて現地時間
※スケジュールは、チームのコンディションや天候等により急きょ変更する場合があります。
AFC U-16女子選手権タイ2019
大会期間:2019/09/15(日)~2019/09/28(土)
決勝:
2019/9/28(土) 22:00キックオフ(日本時間)
vs 朝鮮民主主義人民共和国