JFAアカデミーでは「常にどんな時でも(日本でも海外でも)ポジティブな態度で何事にも臨み、自信に満ち溢れた立ち居振る舞いのできる人間の育成」というフィロソフィーを掲げ、真のエリートを目指して日々活動しています。
JFAアカデミースタッフ通信では選手たちの日常の様子や、日々の活動を詳しくお伝えしています。今回JFAアカデミー福島女子のレポートを担当するのは金野結子コーチです。
女子サッカー活性化のために新たに創設された大会
今シーズンからJFAアカデミー福島で女子U-18コーチを担当しています。オンザピッチでもオフザピッチでも選手との日々にたくさんの刺激を受け、充実した毎日を送っています。今回は女子U-18が出場したXF CUP 2019 第1回日本クラブユース女子サッカー大会(U-18)について紹介いたします。
本大会は、U-18年代のクラブチームの活性化のために新たに創設された大会です。昨年度はプレ大会として実施され、今年から正式にスタートすることとなりました。各地域の予選を勝ち抜いた15チームにアメリカからの招待1チームを含めた16チームが頂点を目指し、熱戦を繰り広げました。
JFAアカデミー福島は、プレナスチャレンジリーグのレギュラーシーズンが終了し、8月末からはプレーオフが始まります。今大会では、選手一人一人のさらなる成長を基にチームの底上げ、強化を図るべく臨みました。
オンザピッチ
予選リーグでは、慣れない暑さの中での3連戦に戸惑いながらも3戦全勝でグループリーグ1位突破を果たし、上位トーナメントへ進出しました。上位トーナメント1回戦では、アメリカからの招待チーム・San Jose Earthquakesと対戦し、お互いが点を取り合う中、PK戦までもつれ込み勝利をつかみました。
準決勝で敗戦し、最終日を迎えることとなりましたが、3位決定戦では9期生(高校3年生)にとっては最後のクラブユース大会ということもあり、一緒のピッチに立つことができなかった仲間の思いを背負って戦い、3位という結果で大会を終えることとなりました。
全体を通して、技術的なミスが目立ち、主導権が握れない試合や時間帯もあり、チームとして安定してボールを動かすことには課題が残りました。また暑さや連戦による疲労からか、味方の選手を追い越したり、積極的に相手のDFラインの背後を狙ったりするようなダイナミックな動きも影を潜めてしまいました。チーム始動時からパススピードや動きながらのパス&コントロールの質を上げること、味方選手を追い越すことを選手に求めてきましたが、プレッシャーのある中で安定的に技術を発揮できるよう、そして味方のために運動量を惜しまずダイナミックに動くことができるよう今後も引き続き要求していきたいと思います。
一方で、主導権を握られ、押し込まれた状態でも粘り強く、体を張ってゴールを守る場面も見られ、守備面での成長を感じることができました。
夏場の体調管理
大会前は涼しい気候が続きましたが、大会直前に急激に気温が上昇しました。暑熱順化がスムーズに進まない中、また酷暑の中での連戦ということで、暑熱対策や水分補給、疲労回復など、パフォーマンスの維持のため普段以上に体調面に配慮しなければなりませんでした。適度な水分補給、食事、睡眠、ストレッチ、アイスバスなど、JFAアカデミー福島でのさまざまなプログラム、セミナーを通して学んだことを選手自身がその場で実践し、その重要性を再認識する良い機会となりました。
最後に
本大会はU-18年代のクラブチームを活性化するために新たに創設された大会で、大会実施に向けた準備から実際の大会運営まで多くの関係者の方々のご支援、ご尽力のおかげで開催されました。「プレーヤーズファースト」で大会を実施、運営して下さった関係者の皆様に感謝申し上げると共に、今大会で得た貴重な経験を今後の活動につなげていきたいと思います。