全国9地域の予選を勝ち抜いた中学生年代の32チームが頂点を争うJFA第24回全日本U-15女子サッカー選手権大会が、7月27日(土)に大阪府堺市のJ-GREEN堺で開幕しました。大会初日は、1回戦の全16試合のうち、8試合が行われました。
ピックアップマッチ
アルビレックス新潟レディースU-15 0-0(前半0-0、後半0-0、PK5-3)ノジマステラ神奈川相模原アヴェニーレ
アルビレックス新潟レディースU-15(北信越1/新潟)とノジマステラ神奈川相模原アヴェニーレ(関東9/神奈川)の対戦は、強い風が吹く中、新潟のキックオフで開始しました。
立ち上がりから果敢に仕掛けた新潟でしたが、ゴール前で混戦となり、決めることができません。直後にノジマも攻め上がり、FW根府桃子選手がシュートを放ちますが、揺らしたのは惜しくもサイドネット。さらにMF小高夢選手が裏に抜け出しますが、風で少しボールが流れてしまい、シュートには至りませんでした。その後も攻撃の時間を多くつくるノジマに対し、新潟はしっかりと体を寄せてシュートを防ぎ、ボールを回収するとMF長崎咲弥選手やMF田中聖愛選手がドリブルで突破してチャンスをつくります。しかし新潟もシュートまで持ち込むことができません。両チームともに得点を挙げられぬまま、試合を折り返しました。
ハーフタイムには、新潟は「前半はボールを失うことが多かった」(松原徹博監督)ことから、ポジショニングとディフェンスラインや中盤での組み立てを修正。ノジマの吉田彩香監督は、「前半は、攻撃時間は長いが、いつものようにボールを動かしたり奪えたりできていなかった。自分たちらしさを見せることなく試合を終えてほしくなかった」ことから、「さらに足を動かし、戦おう」と檄を飛ばしました。
風に加えて強い雨も降り出した後半は、両チームともに球際での攻防や攻守の切り替えでタフさを見せ、ゴールを目指して最後まで懸命に戦いましたが、60分のゲーム内で決着をつけることができず、勝敗はPK戦で決することになりました。
PK戦では、後攻のノジマが2本目を新潟GKの遠藤花恋選手に阻まれます。一方、新潟は5人全員が決め、チームメートと涙ながらに抱き合い、勝利の喜びを分かちました。
監督・選手コメント
松原徹博監督(アルビレックス新潟レディースU-15)
3週間前にも対戦したところでしたので、ノジマさんの技術の高さや運動量に対して苦しい時間が長くなることは想定していました。後半の途中で1人の選手が負傷でピッチを一時離れましたが、10人の状況でも選手たちはよく体を張って守り切ってくれたと感じています。思い描くような展開ではなくとも、逆境や苦しいシーンの中で自分たちのできることを必死にやりきることで、選手たちの自信にもつながり、さらに成長させてくれると感じています。
GK #30 遠藤花恋選手(アルビレックス新潟レディースU-15)
苦しい時間もありましたが、チームメートが体を張って相手のシュートを防いでくれているのを見て、頼もしい仲間がいることを試合中からうれしく感じていました。みんなががんばってくれているのを感じていた分、PK戦に入ることが決まった瞬間には「今度は自分がみんなのために活躍する番だ」と気持ちが高まっていました。PKを止めることができた場面では、どちらに来るのかを冷静に判断して対応することができました。みんなで気持ちを一つにして戦えたことが、勝利に繋がりました。
MF #24 白沢百合恵選手(アルビレックス新潟レディースU-15)
この大会には、後輩たちは「3年生の分もがんばろう」、私たち3年生は「これまで私たちについてきてくれた後輩たちへの恩返しをしよう」という思いで臨みました。この試合では押し込まれる場面もありましたが、とにかく失点しないように守り切って、流れの中だけにこだわらずCKなどでもいいからなんとかチャンスをつかみたいと考えていました。2回戦では、私たちらしいサイドからの攻撃や力強い守備でそれぞれの選手の持ち味を発揮し、勝利したいです。
吉田彩香監督(ノジマステラ神奈川相模原アヴェニーレ)
最後の一歩、踏ん張りの強さが勝敗を分けてしまいました。選手たちは選手たちなりに一生懸命プレーしてくれました。けれど、自分たちらしいサッカーを100%出し切れなかった印象です。もっとできるはずだと、私だけでなく、選手たち自身も感じていたでしょうから、悔しい気持ちもより一層強いだろうと思います。選手たちとともに、私もさらに成長していかなければいけないと強く感じています。彼女たちがこの悔しい経験をこの先のステージでの成長の糧としてくれると信じています。
大会期間:2019年7月27日(土)~8月3日(土)
大会会場:J-GREEN堺(大阪府堺市)