JFAアカデミーでは「常にどんな時でも(日本でも海外でも)ポジティブな態度で何事にも臨み、自信に満ち溢れた立ち居振る舞いのできる人間の育成」というフィロソフィーを掲げ、真のエリートを目指して日々活動しています。
JFAアカデミースタッフ通信では選手たちの日常の様子や、日々の活動を詳しくお伝えしています。今回JFAアカデミー福島女子のレポートを担当するのは加藤竜二GKコーチです。
フランス遠征
JFAアカデミー福島女子では1年に1回、春休みを利用しU-18チームとして海外遠征を行っています。今年は3月22日から3月30日の期間で遠征を行いました。「世界基準」を常に意識しトレーニングに励んでいますが「世界基準を知ること、見ること、体感すること」が重要と考え、毎年世界の強豪国に出向き同年代を中心に練習試合を行っています。近年、欧州の中でも特に女子サッカー強化を図り強豪国となったフランスの選手の強さ、スピードを肌で感じ、自分たちの立ち位置や現状を確認することを目的とし今年はフランス遠征に行ってきました。
試合
滞在期間8日間で4試合を行いました。フランス到着翌日にパリ・サンジェルマンU19女子。翌日にパリFC U19女子2日後にCAパリU15男子。翌日、パリからリヨンに移動しオリンピック・リヨンと行いました。
試合結果
0-2 ● | vs PARIS SAINT GERMAIN U19 |
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2-0 ◯ | vs PARIS FC U19 |
7-0 ◯ | vs CA PARIS U19 |
2-2 △ | vs OLYMPIQUE LYONNAIS |
ハードスケジュールではありましたが、けが人もなく全選手が出場し戦い抜くことが出来ました。UEFAチャンピョンズリーグに出場し続けているパリ・サンジェルマン、オリンピック・リヨンの2チームとの対戦ではフィジカルに優れパワー、スピード、高さにおいては日本国内リーグでは体験できないレベルを選手は体感することができました。
また、攻撃ではアカデミーで取り組んでいる足元のテクニックやパスの質にこだわり数的優位な状況を作り攻撃すること、シュートシーンまで持ち込むことができました。守備においても特徴のある対戦相手に対し複数で囲い込みボールを奪いに行くことにチャレンジしていました。しかし攻撃時にシュートチャンスを逃してしまうことやシュートの精度が低く得点が奪えなかったことは課題として残りました。ビルドアップでは相手陣地に入り込むと相手選手のプレッシャーに慌ててしまい判断ミス、技術的なミスが多く見られボールを失うことが多くありました。守備では1対1の競り合いで力負けしてしまうシーンが多く、複数で囲んでもファーストDFが決まらないと簡単に突破されてしまうことが多くありました。
また、大きな課題は環境の変化の対応力です。普段のトレーニングを人工芝で行っているため天然芝に慣れていないことで滑って転ぶ選手が目立ちました。日本の天然芝とも違い土が粘っこく水分が多いため滑りやすい状態でした。芝も長く凸凹が多いグランド状態で正確にボールを止める・蹴ることができる選手が少なくグランド状況に慣れるのに時間がかかりました。この様な状況下でも対戦相手は滑ることもなく技術的なミスも少なくプレーしていました。今後についてJFAアカデミー福島の役割として各カテゴリーに多くの代表選手を選出させることが重要であり、なでしこジャパンに繋げる必要があります。そのためには個の育成、強化はかかせません。個人スキル、チーム戦術、フィジカル面、メンタル強化など世界のサッカーは急速に進んでいます。世界を知るために、我々が海外に出向き直接世界を見て、肌で感じる事が必要です。
「世界のなでしこ」であり続けるために、今後も海外遠征を継続していきたいと思います。