JFAアカデミーでは「常にどんな時でも(日本でも海外でも)ポジティブな態度で何事にも臨み、自信に満ち溢れた立ち居振る舞いのできる人間の育成」というフィロソフィーを掲げ、真のエリートを目指して日々活動しています。
JFAアカデミースタッフ通信では選手たちの日常の様子や、日々の活動を詳しくお伝えしています。
今回JFAアカデミー堺のレポートを担当するのは加藤賢二チーフコーチです。
8年目スタート
JFAアカデミー堺のチーフコーチをしています加藤賢二です。今年で4年目となります。JFAナショナルトレセンコーチ女子担当のサブチーフも兼任しています。
JFAアカデミー堺はこの4月で8年目を迎えました。これまでに1期生から5期生までの59人が巣立っていきました。1期生は今年二十歳になります。
現在のJFAアカデミー堺は6期生から8期生までの36名が在籍しています。スタッフはGKコーチを含めテクニカルのコーチが4名にアスレティックトレーナーと総務兼選手管理を合わせて6名です。昨年度から引き続き同じ顔ぶれの6名で指導をします。スタッフが前年度と全く同じ顔ぶれでスタートするのはJFAアカデミー堺開校以来、初めてのことです。強力なスタッフのチームワークで元気な子供達のパワーに負けないように頑張っていきます。
JFAアカデミー堺“らしさ”
JFAアカデミー堺は中学生の3年間、週末帰省型の活動となります。よって月曜日から金曜日までアカデミーで生活し、週末や夏休みなどの長期休暇中は帰省して地元の所属チームで活動します。JFAアカデミー堺として公式戦などのチーム活動はありませんので、アカデミーでの日常のトレーニングの成果を実践する場は、それぞれの選手が所属するチームとなります。アカデミーは帰省先の所属チームでは中心選手として活躍する選手が集まっていることもあり、元気で活発な選手が揃っています。通っている中学校では、どの学年も学級代表を任される選手が多く、学校の仲間からも信頼を得ているようです。しかし、良い方向に進んでいるときは元気で活発な選手が多いことはプラスに作用しますが、アカデミーでの3年間は楽しいことばかりではありません。アカデミーで、所属チームで、または学校でミスをしたり、自分の思うようにいかないことや、仲間とも意見が合わずに対立することもあるでしょう。時には思わぬトラブルに巻き込まれることも。個性が強い選手たちが集まっていればこそ、そんな時には大きくマイナス方向に振れることもあります。しかし、そういった失敗や対立を恐れて何もアクションしない、自分の意見を言わない選手にはなって欲しくありません。アカデミー堺“らしさ”とは、みんなが持ち前の無邪気さ、明るさ、素直さを持ち続けて、互いに共鳴しながら成長していけるところです。自分の個性をしっかりと認識し、基本的なマナーや生活習慣をベースとして、その上に自分の個性を積み上げて欲しいと思っています。
36人の掛け算
以前読んだ本の中に、第1次南極観測隊で副隊長兼越冬隊長を務めた西堀榮三郎氏の言葉で「同じ性格の人たちが一致団結しても、その力は和の形でしか増やせない。異なる性格の人たちが団結すれば積の形で大きくなる」とありました。私は、JFAアカデミー堺の選手たちもこれに当てはまると考えます。
36人がそれぞれ異なった強い個性を持って欲しいです。指導者として扱いやすい選手(指導者の方を向いている風な選手)ばかりでは36人が一致団結しても大きなパワーは出せません。異なる個性が団結してこそ積の形で大きなパワーとなってくれるはずです。我々、JFAアカデミー堺のスタッフは選手の個性を引き出し、より磨きをかけるような指導を目指しています。