なでしこジャパンは4日(木)、FIFA女子ワールドカップフランス2019に臨む23人のメンバー発表前最後の活動となる今回のヨーロッパ遠征の初戦、フランス女子代表との国際親善試合を迎えました。
6月から7月にかけて自国で女子ワールドカップをホストするフランスは21時のキックオフに向けて本大会さながらの華やかな演出でファン、サポーターを出迎えます。この日発表された来場者数は15,379人。およそ18,000人を収容するスタジアムがほぼ満席となる盛り上がりの中発表されたこの日の日本のメンバーは、GK山下杏也加選手の前にディフェンスが右から清水梨紗選手、キャプテン熊谷紗希選手、南萌華選手、鮫島彩選手と並び、中盤の舵取り役には杉田妃和選手と三浦成美選手の若いコンビを配置、両サイドハーフの中島依美選手と長谷川唯選手と、ツートップの横山久美選手と小林里歌子選手が攻撃をリードする形となります。試合はフランスのキックオフで始まりました。
試合は開始早々に動きます。3分、右サイドからのクロスに13番Wendie Renard選手がヘディングで合わせたシュートをGK山下彩佳選手がギリギリのところでかき出したと思いましたが判定はゴール。日本は早々に追いかける展開を強いられます。追いつきたい日本は連動した動きからフランスゴールを目指しますが、フランスのプレッシャーの中でボールを失うシーン多く、リズムを作ることができません。それでも試合が落ち着き始めた7分には横山久美選手が日本の最初のシュートを放ち反撃の狼煙を上げます。
両チームともに特徴を発揮しながらお互いにゴールを目指しますが、ホームの応援を背に、持ち味のスピードとパワーに勝るフランスが有利な展開が続きます。しかし、18分、フランスのGKにアクシデントが発生、試合を中断してその場で治療するも、22分に交代となります。その間に選手間で話し合い、立て直しを図った日本は24分、左サイドで高い位置を取った鮫島選手から横山選手、杉田選手と繋ぎ、中央の小林選手にラストパス。これに反応した相手DFを見て小林選手がスルーして後ろから上がってきた中島選手がシュートを打ちます。これは相手GKに弾かれますが、ゴール前に詰めていた小林選手が押し込んで試合を振り出しに戻します。
フランスは両サイドハーフが極端に高いポジションを取り、そこを起点に日本の守備を突いてきます。押し込まれる展開が続くと、そのサイド攻撃から与えてしまったコーナーキックの流れから9番Eugenie Le Sommer選手にこぼれ球を叩き込まれて失点、1-2と再び引き離されます。その後も執拗にサイド攻撃を続けるフランスに日本はなかなか打ち手を見いだせないまま前半は終了、1点差で試合を折り返します。
前半はホームで積極的なフランスの力強い守備と素早いサイド攻撃に手を焼いた日本でしたが、持ち味の連動性が発揮されたシーンではゴール前に迫るなど、チャンスを作る形は見せていました。
後半、両チームとも交代はなく試合が再開。日本は前半より両サイドが高めのポジションを取るようになり、フランスのサイド攻撃を封じ込めたい狙いが見られます。しかしフランスの圧力に中盤でパスが繋がらず、流れを引き寄せることができません。すると高倉麻子監督は変化を生み出そうと選手交代に動きます。61分、清水選手と横山選手に替えて宮川麻都選手と菅澤優衣香選手を投入します。長谷川選手と小林選手がポジションを変えて攻撃の起点を増やすと、さらに79分には中島選手に替えて宮澤ひなた選手を投入して攻撃のオプションを加えます。しかし前半から続くフランスのサイド攻撃に対してどうしても重心が後ろにかかってしまう日本は攻撃時の押し上げがうまくいかずボールを前線に運べない状況が続きます。そのままスコアが動かず迎えた終盤、球離れが悪くなったところを狙われて中盤でボールを失うと、そのまま持ち込まれて強烈なシュートを打たれます。一度は山下選手が弾きましたが、こぼれ球を20番Kaditiatou Diani選手に押し込まれて失点。試合の行方を決める1点をフランスに奪われ、1-3で試合は終了しました。
次戦は隣国ドイツへ場所を移し、9日(火)16時(日本時間同日23時)よりドイツ女子代表戦を行います。
監督・選手コメント
なでしこジャパン(日本女子代表) 高倉麻子監督
今日はいいところなくやられてしまった試合になりました。完敗です。相手のプレーに押し込まれていた形でしたが、自分たちの判断の遅さや切り替えの遅さで自滅してしまいました。後半は自分たちからアクションを起こすことを意識するようになりましたが、それでも相手のスピードやリーチの長さに思った以上にひるんでしまったかなという印象で、とにかくボールが相手に引っかかっていました。自分たちにパワーを持ってくる力が足りなかったと思います。今日のような相手の圧力に対しては、少し歯車が狂うとこうなるということを改めて思い知らされました。ドイツ戦もあるので、今日の試合を振り勝って、またメンバーも考えながら準備したいと思います。
DF #3 鮫島彩選手(INAC神戸レオネッサ)
今日フランスにやられたことは、すべてフランスの強みでした。気持ちよくやらせてしまったという感じです。個人の部分では身体能力など明らかな差がありますが、今からその差を埋めるのは現実的ではないので、相手に自由にやらせないように組織的な守備が大事になってくると思います。奪いどころを決めるなどの守備の仕方を考えていかないといけないと思いました。
MF #17 三浦成美選手(日テレ・ベレーザ)
フランスを相手になかなか前からいけず、相手にペースを握られてしまいました。また自分たちもミスが多く、リズム作れずに押し込まれた試合になてしまったという印象です。守備陣含めて後ろではボールを繋ぐことができましたが、そこから前に運ぶことができませんでした。選手同士の距離感や、少ないタッチ数など、もっと工夫が必要だったと思います。
FW #11 小林里歌子選手(日テレ・ベレーザ)
今日は単純なミスが多かったです。フィジカル的にもやはり差があると感じました。(得点シーンは)後ろに依美さん(中島選手)が見えていたので、コンビで崩せると思ってスルーしました。少ないチャンスを活かせたのは良かったです。
スケジュール
4月2日(火) | AM/PM | トレーニング |
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4月3日(水) | AM | トレーニング |
PM | 公式練習 | |
4月4日(木) | 1-3 | 国際親善試合 vs.フランス女子代表(スタッド・アッベ・デシャン) |
4月6日(土) | AM | トレーニング |
4月7日(日) | AM/PM | トレーニング |
4月8日(月) | PM | 公式練習 |
4月9日(火) | 16:00 | 国際親善試合 vs.ドイツ女子代表(ベンテラー・アレーナ) |
※時間はすべて現地時間
※スケジュールや会場は急遽変更になる場合がございます。
国際親善試合~ヨーロッパ遠征~
大会期間:2019年3月31日(日)~2019年4月11日(木)
会場:スタッド・アッベ・デシャン、ベンテラー・アレーナ