第27回全国高等学校女子サッカー選手権大会は1月7日(月)、兵庫・神戸ユニバー記念競技場で準決勝2試合が行われ、決勝進出チームが決定しました。
準決勝1
常盤木学園高校 2-0(前半1-0、後半1-0)十文字高校
第1試合では、常盤木学園高校(東北1/宮城)と十文字高校(関東2/東京)が対戦しました。優勝経験を持つチーム同士の激突です。
パワフルにボールを前に運び、中盤からも果敢に前線へと飛び出す常盤木学園は、遠目からでも積極的にシュートを放ち、その総数は前半だけで12本に上りました。一方の十文字も、決定機は決して多くはないものの、その中でもシュートやクロスまで持ち込むパーセンテージは高いものでした。開始9分には浜田芽来選手が左サイドを独力で突破し、ゴールわずか右に逸れるシュートを放っています。
一進一退の攻防が続く中、流れを変えたのはやはりゴールでした。34分の常盤木学園の2連続のCKで、ファーサイドで西野朱音選手が頭で合わせます。GKに弾かれましたが、ゴールライン上にあったボールを沖野るせり選手が押し込み、先制に成功しました。
後半に入ると十文字は気持ちを切り替え、右サイドから攻め立てます。すると常盤木学園はこのサイドに選手交代で運動量を注ぎ込み対処。試合のペースを握りつつ、69分には素早い攻めで追加点を奪います。
2点差を追う十文字の反撃は後半半ば過ぎからどんどんと激しくなっていきますが、常盤木学園は最終ラインにも巧みに入り相手に食らいつく2人の守備的MFなど全員で足を動かし続け、ゴールを許さず。完封勝利で4年ぶりの決勝進出を果たしました。
準決勝2
星槎国際高校湘南 4-0(前半3-0、後半1-0)東海大付属福岡高校
第2試合では、星槎国際高校湘南(関東3/神奈川)と東海大付属福岡高校(九州3/福岡)が対戦しました。共に初めて戦う準決勝でファイナル進出を争いました。
試合は開始早々に動きます。開始3分、30メートル近い位置から放った遠藤彩椋選手のシュートは、少し前に出ていたGKの手を弾いてゴールに転がり込み、星槎国際湘南の先制点となりました。すると、このリードが背中を押したか、星槎国際湘南の攻撃が加速。相手選手の間に入っての1タッチのパス交換に最終ラインの裏へのボールを織り交ぜ、東海大福岡ゴールへ迫ります。その勢いのまま、30分には縦パスで抜け出した加藤もも選手が追加点。その5分後にも縦パスに安保舞美選手が右サイドから走り込み、ゴールネットを揺らしました。
3点のリードを奪われた東海大福岡は、後半に入ると中央を締めてケアしますが、60分には空いたサイドを安保選手に抜け出されてクロスを許し、加藤選手のこの日2点目で点差を広げられます。前半には孤立しがちだった福永季和選手の近くに中島依真選手を投入して2トップに変更し、反撃に移ろうとしますが、小柄ながら飛び出しやダイナミックな横っ飛びが光るGK小野葵選手のセーブにも遭い、ゴールには至らず。初のファイナルへのチケットは、星槎国際湘南がつかみ取りました。
監督・選手コメント
沖野るせり選手(常盤木学園高)
先制点の場面では、西野朱音選手のヘディングでほとんど入った状態でしたが、GKが少し弾いていたので、勢いよく詰めました。先制点が欲しい時間帯だったので、うれしかったです。それに、自分が出ていた2試合で思うような結果を出せていなかったので、ほっとしました。ずっと私たちのペースでボールを動かしていたもののカウンターが怖かったので、点が入って落ち着けたのではないかなと思います。選手権優勝という目標への思いは強いですし、インターハイ優勝がまぐれだと思われないように、決勝でもしっかり勝って、この大会を終わらせたいと思います。
安保舞美選手(星槎国際高湘南)
今大会では3試合に出場していたのに1点も決められていなかったので、ゴールはとてもうれしかったです。その後は2度もバーをたたきましたが、こんなことはまずなかったと思います。でも、自分のゴールはもちろん、後半に上げたクロスを加藤もも選手が決めてくれたことも、初めての決勝に進むことができたことも、とてもうれしいです。今大会には初戦突破という目標を立てて臨みましたが、初戦突破後は「一戦突破」と目標を切り替えて、毎試合全力を出して戦うことで、ここまで来られました。だから決勝でも、全員で一戦突破という目標へ向かって戦いたいと思います。
第27回全日本高等学校女子サッカー選手権大会
大会期間:2019年1月3日(木)~2019年1月13日(日)[全試合無料]
大会会場:三木総合防災公園(兵庫県三木市)、五色台運動公園(兵庫県洲本市)、いぶきの森球技場(兵庫県神戸市)、神戸総合運動公園(兵庫県神戸市)
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