皇后杯 JFA 第40回全日本女子サッカー選手権大会は、11月4日(日)に1回戦の残り8試合が行われ、2回戦進出チームが出揃いました。
ピックアップマッチ1
ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU-18(関東/千葉) 3-0(前半0-0、後半3-0)常葉大学附属橘高校(東海/静岡)
藤枝総合運動公園陸上競技場での1試合目では、ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU-18と常葉大学附属橘高校が対戦しました。
常葉橘は小林莉々子選手のドリブル突破などで相手の守備を崩そうと試みますが、決定的な場面はなかなか訪れません。33分には名和真理奈選手の自陣からロングパスに加藤瑞貴選手が抜け出しますが、シュートには至りません。
一方のジェフU-18は、34分に渕上野乃佳選手が左サイドからシュート、36分には中盤で相手のパスをカットした堀越柚衣選手が自らドリブルで持ち上がり左足で狙いますが、いずれも相手GKに阻まれてしまいます。
一進一退の前半を終え、後半に入ると、「相手を引き出してスペースをつくっていこう」と金野結子監督に送り出されたジェフU-18が徐々に試合の主導権を握ります。すると55分、ジェフU-18に待望の先制点が生まれます。右CKの流れからこぼれ球を拾った井上千里選手がクロスを送ると、ゴール前に走り込んだ高校1年生FWの高梨夕花選手の背中に当たり、ゴールネットに吸い込まれました。
先制点を得たことで優位に試合を進めたジェフU-18は、その後も攻め続け、84分に甲斐碧海選手がヘディングシュートを決め、後半アディショナルタイムにも左サイドバックの松村亜月選手のクロスが相手のオウンゴールを誘います。守っては相手のシュートを3本に抑え、3-0で無失点勝利を収め、ベスト16に躍進した前回大会に続き、1回戦突破を決めました。
ピックアップマッチ2
NGUラブリッジ名古屋(東海/愛知) 3-0(前半1-0、後半2-0)大阪桐蔭高校(関西/大阪)
関西予選で2018プレナスチャレンジリーグに所属するコノミヤ・スペランツァ大阪高槻を撃破し、9大会ぶりに本大会への出場を決めた大阪桐蔭高校は、1回戦で同じくチャレンジリーグのNGUラブリッジ名古屋に挑みました。
試合開始直後から主導権を握ったのはラブリッジでした。2分、代田美希選手が左サイドを突破し、クロスを上げると、ゴール前で小林真規子選手がたたきつけるようなヘディングシュートを決め、早々に先制します。その後は、大阪桐蔭も粘り強く守り、1点差のまま前半を終えます。
後半に入ると再びラブリッジが攻勢に出ます。53分、ペナルティエリア内にドリブル突破した小林選手が倒され、PKを獲得。これを自らゴール右上へと決めます。61分には、右サイドの竹林佑真選手のクロスのこぼれ球を代田美希選手が押し込み、リードを3点に広げました。
しかし、「高校チームは練習量が多く運動量がある」とラブリッジの熊田喜則監督が評するように、大阪桐蔭は後半途中から追い上げを見せます。68分に小川真依選手が放ったシュートは左のポストに直撃。78分にも小川選手がGKと1対1の場面を迎えますが、シュートは枠を捉えきることができません。最後まで諦めずゴールを目指しましたが、1点が遠く、無得点で試合終了のホイッスルが鳴りました。
2大会連続で初戦を突破したラブリッジは、2回戦でINAC神戸レオネッサ(なでしこ1部)と対戦します。
監督・選手コメント
高梨夕花選手(ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU-18)
先制点の場面はサイドハーフがいいボールを上げてくれて、結果を出さないといけないなと思って、ボール前に入っていったら背中に当たってゴールになったのでうれしかったです。自分のプレーは裏に抜け出したり、前線からボールを追うのが特長ですが、スペースに入る意識はしていました。1点決めることはできましたが、もっと積極的にゴールに向かっていかなくてはいけないので、次はもっとチャレンジしたいと思います。次の相手は強いですが、自分たちのサイド攻撃を生かして負けずに頑張りたいと思います。
半田悦子監督(常葉大学附属橘高校)
もちろん技術の差はあると思いますが、局面で慌ててしまう気持ち的な弱さがありました。決めるべきシーンで決められないというもったいない場面もあり、相手が一枚上手だったと感じました。3年生は東海リーグがありますし、(大学などで)続ける選手もいるので練習は続けますが、この皇后杯は大きな節目でした。そういう意味でも勝ってもう一試合、ノジマステラ神奈川相模原とやりたかったというのはありました。
小林真規子選手(NGUラブリッジ名古屋)
高校チームは勢いがあるので、最初にその勢いをくじかせようという意味では入りがうまくいきました。代田美希選手がサイドを突破するのは分かっているので、それに対して逆サイドやゴール前に入っていけるように意識しています。いいボールが入ってきたので、当てるだけでした。アタッキングサードで仕掛けるのは自分の持ち味だと思うので、一瞬のスピードで相手の前に入って、相手がファウルでしか止められない位置にボールを運んでいくことを意識していて、今日はそれがうまくいきました。PKも落ち着いて決められてよかったです。
天野泰男監督(大阪桐蔭高校)
格上相手なので開始5分の失点には気をつけていましたが、経験の差が出ました。前半はゼロに抑えて、後半に相手が疲れてきたら点を取ることを狙っていましたが、最初にプランが崩れてしまいました。ただ、守備は頑張って前半はその1点に抑えられ、後半につながりました。来週の高校女子選手権の予選につなげるためにも1点を取りたかったですが、アグレッシブに戦えたことはよかったと思います。9大会ぶりに皇后杯に出場できたのはうれしかったですね。指導者をやりながら歴史を知っていく中で、前回は特に考えていませんでしたが、改めて出場して大会の奥深さを感じることができました。
開催期間:2018年11月3日(土・祝)~2019年1月1日(火・祝)
【1回戦】 2018年11月3日(土・祝)・4日(日)
【2回戦】 2018年11月24日(土)・25日(日)
【3回戦】 2018年12月1(土)・2日(日)
【準々決勝】 2018年12月22日(土)
【準決勝】 2018年12月29日(土)
【決勝】 2019年1月1日(火・祝)