第24回全日本高等学校女子サッカー選手権大会は1月6日(水)、兵庫県の三木総合防災公園内の2会場で準々決勝4試合が行われ、今大会のベスト4が決定しました。
ピックアップマッチ 1
鳳凰高校(九州2/鹿児島) 2-3(前半0-2、後半2-1) 藤枝順心高校(東海1/静岡)
序盤、守備から入ろうとする鳳凰高校に対し、リズムをつくったのは藤枝順心高校でした。最終ラインで幅広くボールを動かし、機を見て長いボールを送り込みます。すると5分、右サイドから走り込んだ児野楓香選手が縦パスに追いつくと、距離があるところから思い切ってシュート。難しい角度でしたがゴール左隅に決まり、藤枝順心が先制に成功します。前線の選手が自在に位置を変えて鳳凰の守備に狙いを定めさせない藤枝順心は、24分にも速攻から追加点を奪います。クロスがこぼれたところを、千葉玲海菜選手が強烈に叩いてゴールネットを揺らしました。
一方、2点のビハインドに立った鳳凰は後半、反撃に出ます。前半途中に切り替えた前から奪う守備が機能し始め、後半キックオフから4分後、速い攻撃でつないだ右からのクロスを井之脇朱音選手が押し込み1点差とします。さらにその10分後、今度は左からのクロスをまたも井之脇選手が決めて、試合を2-2の振り出しに戻します。
しかし、藤枝順心は気持ちを切らせませんでした。追いつかれた2分後、先制点を挙げた児野選手が左サイドを攻め上がってクロス。岩下胡桃選手がワンタッチで合わせ、ゴール右隅を射抜きました。その後は互いにチャンスを迎えることがないまま、1点差で藤枝順心が2年連続でベスト4へと勝ち上がりました。
ピックアップマッチ 2
神村学園高等部(九州1/鹿児島) 1-1(前半1-0、後半0-1、PK3-1) 常葉学園橘高校(東海2/静岡)
ここまでの2試合でセットプレーから得点している神村学園高等部は、この一戦でもCKから得点しました。開始4分、この日2本目のCKを、渡辺玲奈選手が頭できれいに流し込み、先制します。スピード感あるプレーで仲間のフォローも怠らず、足を動かし続ける神村学園が常葉学園橘高校を押し込み、前半だけで12本のシュートを放ちました。
後半に入ると、常葉学園橘は落ち着きを取り戻します。前半は押し込まれたことで前方に人がおらず、攻撃は手詰まりになっていましたが、後半は自陣からボールをつないでいく場面も増えました。際どいスルーパス、クロスバーを叩くシュートなどチャンスをつくると、粘り強い攻撃が実ります。後半アディショナルタイム、左CKに石田菜々海選手が頭で合わせて同点ゴールを奪い、試合はPK戦へと突入しました。
PK戦では3人目までに常葉学園橘が2人、神村学園の1人が失敗。そして迎えた常葉学園橘の4人目のPKを、神村学園GK中原冴彩選手がセーブ。この瞬間、神村学園の準決勝進出が決まりました。
大会4日目は1月7日(木)、準決勝を行い、決勝に進む2チームが決定します。大商学園高校(関西1/大阪)が藤枝順心、修徳高校(関東2/東京)が神村学園と、それぞれ決勝進出をかけてノエビアスタジアム神戸で対戦します。
その他の試合結果
大商学園高校(関西1/大阪)6-0(前半2-0、後半4-0) 高崎健康福祉大学高崎高校(関東5/群馬)
岡山県作陽高校(中国1/岡山)1-3(前半1-1、後半0-2) 修徳高校(関東2/東京)
監督・選手コメント
黒﨑優香選手(藤枝順心高校)
苦しい試合でした。早い段階で追加点を決めていたら、接戦にはならなかったと思います。試合への入り方が悪かったのも苦戦の原因です。1点を返されたときに修正することができればよかったのですが、立て直すのに時間がかかりました。次の試合で同じような展開になったときは、もっと早く修正できるようにしたいです。ここまであまり良い内容の試合ができていないので、勝利とともに内容にもこだわっていきたいです。
嶋田正照監督(鳳凰高校)
立ち上がりの失点の場面など、まだ経験が足りません。(藤枝順心が)長いボールも蹴ってくるので、様子を見ながら序盤をしのいで試合に慣れさせようと思ったら、それまでに点を取られてしまいました。相手のシュートもうまかったと思います。前半は相手を怖がりすぎたかもしれませんが、自分たちも少ないチャンスから2点を決めました。この大会は、選手たちにとっては通過点です。彼女たちが今後サッカーをする上でのベースをつくってあげられたらと思っています。
中原冴彩選手(神村学園高等部)
早い時間に1点を取った後、追加点が欲しかったです。相手も必死に1点を奪いにきて、いつ失点してもおかしくない状況でした。ただ、簡単な試合になるとは思っていなかったですし、PK戦もあり得ると考えていました。PKは得意ではないのですが、去年の大会ではPK戦で負けていたので、その悔しさを晴らすときだと思って戦いました。試合をこなすごとにチームが一丸となり、強くなってきていると思うので、この結束力を次の試合でも生かしていきたいと思います。
半田悦子監督(常葉学園橘高校)
2回戦で常盤木学園に勝った気持ちを引きずっていたら足をすくわれるから、(この一戦は)初戦のつもりで戦おうと話していました。ハードワークを続ける相手に耐えて、どこかで自分たちらしさを出せればと思っていました。ただ、開始早々に失点したことによって、焦りが生まれ、ボールを持ったとき、縦に急ぎ過ぎました。最後に追いつき、勝機がふくらんだと思ったのですが、まだハートの強さが足りないのかもしれません。全国のベスト4に入れなかったのは残念ですが、強いチームと3試合戦って得たものもあるので、そこは次につなげていきたいです。
第24回全日本高等学校女子サッカー選手権大会
2016年1月3日(日)~1月10日(日)
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