なでしこジャパン(日本女子代表)は12月8日(金)に千葉市蘇我球技場(フクダ電子アリーナ)で開幕するEAFF E-1 サッカー選手権 2017 決勝大会の初戦で、韓国女子代表と対戦する。
韓国女子代表、強豪を上回ったことを自信に飛躍を目指す
なでしこジャパン(日本女子代表)が第1戦で迎える韓国は、世界の中でも近年、力をつけてきているチームの一つだ。
今年は国際Aマッチ10試合を行い、5勝2分3敗の成績を残しており、キプロスカップ、EAFF E-1 サッカー選手権2017ラウンド2(予選大会)や、AFC女子アジアカップ2018の予選大会に出場してきた。
世界中から出場国が集まる3月のキプロスカップでは、韓国は出場12チーム中2位となり準優勝。決勝ではスイスに0-1と敗れたが、特筆すべきは、その翌月に朝鮮民主主義人民共和国(DPR Korea)の平壌で行われた、AFC女子アジアカップヨルダン2018の予選大会だ。韓国はここでDPR Koreaと同組のグループBに入り、1位のみがAFC女子アジアカップヨルダン2018に出場できるという難題に直面したが、42,500人の観衆が集まったDPR Korea戦で1-1と引き分けた他は全勝。韓国がDPR Koreaを得失点差で上回り、3勝1分でAFC女子アジアカップヨルダン2018への出場権を手にした。それに伴い、FIFAランキング10位のDPR Koreaは、AFC女子アジアカップヨルダン2018や、その先のFIFA女子ワールドカップフランス2019への出場権を逃す結果となった。
長年にわたってアジアの女子サッカーを牽引してきたDPR Koreaを上回った韓国は、チームとして大きな自信を手にしているに違いない。
しかし、10月のアメリカ遠征ではアメリカと2回対戦し、1-3、0-6で敗れている。ベストメンバーを組めない背景があって大量失点したが、そこでの反省材料を手に今回のEAFF E-1サッカー選手権2017決勝大会に出場してくるだろう。
韓国は今大会に出場するため、昨年11月6日から14日にかけて香港で行われたE-1サッカー選手権2017ラウンド2に出場した。グアム戦(13-0)、香港戦(14-0)、チャイニーズ・タイペイ戦(9-0)でいずれも快勝し、合計36得点無失点の圧倒的な強さで予選を突破した。
大会MVPには、MFイ・ミナ選手が選ばれており、今大会でも注目選手のひとりである。
攻撃の要となる、チェルシー・レディースFCのFWチ・ソヨン選手は今大会に参加しないが、昨季までINAC神戸レオネッサでプレーしていた、韓国のキャプテンMFチョ・ソヒョン選手はメンバー入りする見込みだ。
2年ぶりの日韓戦が優勝の行方を占う
8日に行われる日韓戦に、なでしこジャパンに復帰したGK山下杏也加選手(日テレ・ベレーザ)は、静かに闘志を燃やしている。
山下選手は、前回大会のEAFF女子東アジアカップ2015決勝大会の第2戦・韓国戦で代表デビュー。「中島依美選手(INAC神戸レオネッサ)の得点で先制したが、後半アディショナルタイムにFKから失点し、逆転負けした試合。今でも覚えている」と、当時を振り返る。その1カ月前に行われたFIFA女子ワールドカップカナダ2015のバックアップメンバーであった山下選手は、「(当時の)佐々木則夫監督に、ちゃんとプレーを見てもらえていることがうれしかった」と話す一方、「チーム全体を動かすようなコーチングができていなかった」と、2年前を回想。「韓国は日本のライバルの一つ。もし今回も日韓戦で出場機会があったら、その代表デビュー戦と比べて、成長したなと思えることが多い試合にしたい。前回のように1点差勝負になるかもしれないので、その1点の重みを意識して臨みたい」と、並々ならぬ意欲を示す。
また、日韓戦に出場すればEAFF女子東アジアカップ2013決勝大会・第3戦以来の対戦となるMF阪口夢穂選手(日テレ・ベレーザ)は、大会初戦の重要性を強調する。
「初戦はどんな大会でも大切なもの。その後の戦いを左右するといっても過言ではないくらいに。去年のリオデジャネイロオリンピック2016アジア最終予選もそうだったが、初戦を落とすと、あとに響いてきてしまう。今大会も初戦はキーになると思う」
FIFAランキング8位のなでしこジャパンに対し、韓国は同15位と下位に位置するが、これは韓国女子サッカー史上の最高位。なでしこジャパンとの一戦は、EAFF E-1サッカー選手権2017決勝大会の行方を定めそうな一戦だ。
なでしこジャパン(日本女子代表) EAFF E-1 サッカー選手権 2017 決勝大会
12月8日(金) 18:55キックオフ(予定)
なでしこジャパン(日本女子代表) vs 韓国女子代表
12月11日(月) 18:55キックオフ(予定)
なでしこジャパン(日本女子代表) vs 中国女子代表
12月15日(金) 18:55キックオフ(予定)
なでしこジャパン(日本女子代表) vs 朝鮮民主主義人民共和国女子代表
すべて会場は、千葉/千葉市蘇我球技場(フクダ電子アリーナ)
EAFF E-1サッカー選手権2017決勝大会
男女ともに、中国、日本、朝鮮民主主義人民共和国、韓国の4チーム総当りによるリーグ戦で東アジアサッカーの頂点を競います。12月8日(金)から16日(土)まで、男子は味の素スタジアム(東京)、女子は千葉市蘇我球技場(フクダ電子アリーナ/千葉)で行われます。