JFAアカデミー堺では4日(月)、小川佳実JFA審判委員長を講師に迎え、「審判への理解を深める」というテーマで講義を実施しました。
国際大会で活躍する審判の映像や審判員の紹介を通して、選手のみならず審判も世界を目指して日々レベルアップを図っていることを共有しました。サッカーについての知識や観る力、判断のスピード、審判としての試合中のポジショニングや運動量など、審判員が多くのスキルを持って試合に臨んでいることを学び、アカデミー生は審判へのリスペクトの気持ちをさらに深めた様子でした。
また、小川審判委員長がアジアサッカー連盟に9年間勤務していた際の経験談からは、アジアの国々の多様性や海外でコミュニケーションをとるためにいかに英語を話せることが重要であるかを学びました。
選手としての視点だけでなく、サッカーに関わる様々な知識を学んで、今後の活動に繋げていきます。
アカデミー生コメント
山本結菜選手(兵庫フットボールクラブ中3:4期生)
小川さんのお話のなかで、審判は1試合あたり約400回もの判断をしていると聞きました。周りから見て「判断している」と気づくことができるのは、そのうちの150回くらいだそうです。審判が一つ一つのプレーでボールが動く度にたくさん走り、細かい部分まで見て一瞬で判断していることを知って、審判に対するリスペクトの気持ちが強くなりました。自分が試合に出場している時はつい熱くなって自分の気持ちを強く主張してしまうことがありましたが、今回のお話を聞いて、試合中も審判に対するリスペクトを忘れずにプレーしていきたいと思いました。また小川さんがアジアサッカー連盟で9年間勤務されていた際に一番苦戦したことが英語でのコミュニケーションだったと聞きました。海外に行くためには、英語を話せなければいけないことを改めて学び、これから努力を続けていきいと思いました。
篠田帆花選手(若鮎長良フットボールクラブ中2:5期生)
小川さんの講義を聞いて、特に印象に残ったことが二つあります。一つは、世界大会でより正しい判定ができるように、映像を見る専門の審判がいたり、ゴール横に審判をおく工夫が取り入れられていて、その様子の映像を見たことです。試合中の主審には見えない角度で起こったことを、映像室で繰り返し再生して確認し、主審に伝えていました。正しい判定をするために多くの人が関わっていて、本当にすごいと思いました。私は、選手として試合中に判定を気にして文句を言うのではなく、審判がしっかり見てくれていることを忘れず、集中してプレーしたいと思いました。
もう一つは小川さんの海外での体験談です。公共の場所に飲んだ後のペットボトルなどが置いたままになっていたのを見て、小川さんは自分から率先して片付けたそうです。その姿を見ていた周りの人が、徐々に一緒に片付けをしたり、ゴミを置いたままにしないようになったそうです。日本では普通のことのように思える「ゴミは自分で片付ける」ということが、世界に出たときに日本人の強みとして自信を持てるものだと思いました。そして、それをだれかに指示したのではなく、自分から率先して行動したことで周りがついてきたことが、すごいと思いました。私も、小さいことからでも少しずつ、日本人として世界に誇れるような強みを自分の強みにできるように努力していきます。
岡本琉奈選手(名古屋フットボールクラブルミナス U14 中1:6期生)
試合に出るとき、審判に求めるのは「正しい判定」です。しかし今回の講義の中で、自分が攻撃の時か守備の時か、その立場が変わると「正」の意識が変わることを知りました。審判は「見る」「認識」「考える」「コミュニケーション」など、考えなければいけない大事なことがたくさんあり、さらにトップレベルの試合ではその早いスピードについていかなければならないので、とても大変なことだと思いました。1試合で約13km走っていることも知り、体力と集中力が必要ということもわかりました。審判がとても大変なものだということを改めて知って、毎試合、審判へのリスペクトの気持ちを持ち続けたいと思いました。アジアサッカー連盟での経験談も聞き、実行力・没個性・存在感がないことが日本人の弱みであるという話が印象に残りました。そのすべてが今の私に当てはまっているように思ったからです。得意なところを伸ばしたり、積極的な気持ちを持つなど、少しずつ自分らしさを出して頑張っていきたいです。